SEOのChrome拡張機能|入れる前に、何を測りたいかを決める

「SEOの拡張機能を調べたら20個以上出てきて、どれを入れればいいのか分からない」と迷っていませんか?
数を並べた記事は多いのですが、何のために使うのかが決まっていないと選べません。
この記事では、拡張機能で分かることと分からないこと、目的別の選び方、入れる前に知っておく3つの制約、実際に使っているものまでを解説します。
入れる数を絞って、必要なときだけ使う形にできます。
SEOの拡張機能で分かること、分からないこと
拡張機能はブラウザに組み込んで使う小さな道具です。開いているページの情報を、その場で表示してくれます。
便利ですが、何でも分かるわけではありません。得意な領域とそうでない領域があります。
ページの中身は正確に読める
タイトル、メタディスクリプション、見出しの階層、画像のalt属性。これらはHTMLに書かれている情報なので、正確に取り出せます。
自分のサイトの確認にも、競合の構成を見るのにも使えます。HTMLのソースを開いて探すより速く済みます。
とくに競合を調べる段階では、10件を順に開いて見出しの構成を書き出す作業が発生します。この用途なら、拡張機能を入れる価値があります。
ただし、読めるのは書かれている内容だけです。その見出しが適切か、内容が検索意図に合っているかは判断できません。それは自分で読んで決めます。
順位は自分の環境の順位でしかない
検索結果に順位を表示する拡張機能があります。ただし、その数字は自分のブラウザで見えている順位です。
検索履歴、位置情報、ログイン状態によって結果は変わります。つまり、全員に共通する順位は存在しません。参考程度に見るものです。
正確に測るなら、位置情報を指定できるツールを使うか、シークレットウィンドウで複数回試して傾向を見ます。1回の表示で判断はできません。
競合の数値は推定値
他社サイトのアクセス数や検索ボリュームを表示する拡張機能もあります。これらは推定値です。
実際の数字を取得しているわけではなく、独自の方法で算出しています。傾向を見る材料にはなりますが、正確な数値として扱うと判断を誤ります。
アクセス数の推定は、実際の数字と数倍ずれることがあります。競合が自分より多いか少ないか、という程度の判断にとどめてください。
SEO拡張機能は何を測りたいかで選ぶ

拡張機能を選ぶとき、機能の多さで比べても決まりません。機能の数ではなく、まず何を知りたいかを1つ決めます。
ページの構造を見る
タイトル、メタ情報、見出しの階層、alt属性の有無。記事を公開する前の確認に使います。
この用途なら、1つ入れれば足ります。複数入れても表示される内容はほとんど同じです。
選ぶ基準は、必要な項目が1画面で見られるかどうかです。タブを切り替えて探す形だと、確認に時間がかかります。
表示速度を測る
ページの読み込みにかかる時間を測ります。ただし出るのは自分の回線と端末での数値です。
実際の利用者の環境とは違うため、この数値だけで判断すると実態を見誤ります。判断に使うのは、Search Consoleに出る実測値のほうです。
拡張機能で数値が悪く出ても、慌てて手を入れる必要はありません。まず実測値を確認します。
検索結果の様子を見る
検索結果のページに、順位や情報を重ねて表示するものです。競合の並びを一覧で把握できます。
シークレットウィンドウと組み合わせると、履歴の影響を減らせます。それでも位置情報は残ります。
地域名を含む語を調べる場合、この差が大きく出ます。自分の所在地から見た結果と、他の地域から見た結果は別物です。
競合を調べる段階では有効です。上位10件のドメインと、それぞれの記事の形式を一覧で把握できます。ただしこの用途も、月に数回しか使いません。
リンクの状態を調べる
ページ内のリンクを一覧にし、外部と内部、nofollowの有無を色分けして表示します。
内部リンクの構造を確認するときや、意図しないnofollowが付いていないかを見るときに使います。
プラグインが自動でnofollowを付けている例があります。外部リンクすべてに一律で付ける設定が入っていると、公式ドキュメントへの引用にも付きます。
拡張機能を入れる前に知っておく3つの制約

数を入れるほど便利になるわけではありません。入れすぎると、測ろうとしているものが歪みます。
拡張機能自体がページを重くする
拡張機能は、ページが読み込まれるたびに動きます。それ自体がブラウザの処理を使います。
10個入れていれば、10個分の処理が毎回走ります。ブラウザの動作が重いと感じるなら、まず拡張機能の数を疑ってください。
Chromeの拡張機能の管理画面を開けば、いま入っている数が分かります。10個を超えているなら、使っていないものが混ざっているはずです。
測定結果が拡張機能に影響される
これが最も見落とされる点です。速度を測る拡張機能を入れた状態で速度を測ると、他の拡張機能の処理時間まで含まれます。
実際に測るときは、シークレットウィンドウを使います。標準では拡張機能が無効になるため、素の状態に近い数値が出ます。
同じページを、拡張機能を有効にした状態と無効にした状態で測り比べてみてください。差が出るなら、普段見ている数値は実態より悪い値です。
順位を表示する拡張機能も同様です。検索結果のページに情報を重ねる処理が走るため、表示が遅くなります。速度と順位を同時に測ろうとすると、どちらも正確でなくなります。
権限を確認せずに入れない
インストール時に、求められる権限が表示されます。多くのSEO系拡張機能は「すべてのサイトのデータの読み取りと変更」を要求します。
開いているページの内容を読む必要があるため、この権限自体はおかしくありません。ただし業務で使うブラウザに入れる場合は、開発元を確認してから判断します。
個人が公開しているものや、更新が止まっているものは避けます。Chromeウェブストアで、最終更新日と利用者数を見てください。
拡張機能は更新のたびに機能が変わります。導入時は問題がなくても、後から権限が広がることがあります。定期的に見直してください。
SELF CHECK
いま拡張機能で何をしようとしていますか。
診断結果
構造を見る拡張機能を1つ
タイトル、メタディスクリプション、見出しの階層、alt属性。この4点が1画面で見られるものを選びます。複数入れる必要はありません。
使うのは公開前の1回だけです。普段は無効にしておき、確認するときだけ有効にします。
診断結果
拡張機能ではなく開発者ツールを使います
F12で開き、パフォーマンスのタブから記録します。拡張機能より詳しい内訳が見られ、追加の導入も要りません。
そのうえで、判断に使うのはSearch Consoleの実測値です。自分の環境で遅く見えても、実測値が良好なら手を入れる必要はありません。
診断結果
検索結果に情報を重ねるものが向きます
上位10件のドメインと記事の形式を一覧で把握できます。1件ずつ開いて確認するより速く終わります。
ただしシークレットウィンドウと併用してください。検索履歴が結果に混ざると、実際の並びと違うものを見ることになります。
診断結果
拡張機能では追えません
その場の1回を見る道具なので、記録が残りません。先月と比べられなければ、上がったかどうかも判断できません。
Search Consoleの検索パフォーマンスを使うか、表計算に日付とキーワードと順位を記録します。3列で足ります。
実際に使っているSEO拡張機能は3つ
当サイトの運用で使っているのは3つだけです。数を増やさず、用途が重ならないものを選んでいます。
構造を見る
記事を公開する前に、タイトルの長さ、メタディスクリプションの有無、見出しの階層、alt属性の抜けを確認します。
これは公開前の1回だけ使うものです。普段は無効にしておき、確認するときだけ有効にします。
Chromeの拡張機能の管理画面から、個別に切り替えられます。使う頻度が月に数回なら、常時有効にしておく理由はありません。
確認する項目は決まっています。タイトルが30文字前後に収まっているか、メタディスクリプションが入っているか、h1が1つだけか、alt属性の抜けがないか。この4点です。
速度を測る
Chromeに標準で入っている開発者ツールで足ります。拡張機能を追加する必要はありません。
F12で開き、パフォーマンスのタブから記録します。追加の導入なしで、拡張機能より詳しい内訳が見られます。
CPUの速度を落とす設定を併用すると、性能の低い端末に近い状態で測れます。拡張機能ではこの調整ができません。
リンクを確かめる
ページ内のリンクを一覧にするものです。内部リンクを整理するときに使います。
ただし、50本の記事を横断して確認する作業には向きません。1ページずつ開いて見る形になるためです。
当サイトで全記事の内部リンクを整理したときは、拡張機能ではなくスクリプトで一覧を出しました。数が増えたら、道具を変えます。
単発の確認なら拡張機能、まとまった作業ならスクリプト。この使い分けをしておくと、作業量が増えても対応できます。
SEO拡張機能では代わりにならないもの

拡張機能はその場の1回を見る道具です。あくまで確認のためのもので、記録して比べる道具ではありません。
実際の利用者のデータ
速度も順位も、拡張機能で見えるのは自分の環境の値です。実際にサイトを訪れた人がどう体験しているかは分かりません。
Search Consoleのウェブに関する主な指標には、28日間に実際に開いた利用者から集めた数値が出ます。数値を見比べるなら、判断に使うのはこちらです。
拡張機能で良い数値が出ていても、実測値が悪ければ改善が必要です。逆も同じで、自分の環境で遅く見えても実測値が良好なら手を入れる必要はありません。
この差は、性能の低い端末や通信の遅い回線を使っている利用者が多いサイトほど大きく出ます。自分の環境が良いほど、実態と離れます。
継続的な記録
今日の順位が分かっても、先月と比べられなければ判断できません。拡張機能は記録を残しません。
推移を見るなら、Search Consoleか、自分で表計算に記録します。日付、キーワード、順位の3列で足ります。
記録がないと、施策の前後で変わったのかが判断できません。順位が動いたように見えても、通常の変動の範囲かもしれない。
サイト全体の状態
拡張機能が見るのは、いま開いているページ1枚です。サイト全体で何ページが登録されているか、どこにエラーが出ているかは分かりません。
50ページあるサイトを1枚ずつ確認するのは現実的ではありません。1枚ずつではなく、全体を見るのはSearch Consoleの役割です。
インデックスの登録状況、エラーの一覧、検索での表示回数。これらは1ページ単位ではなく、サイト単位で確認します。
まとめ
拡張機能は数を入れるほど便利になるものではありません。数を絞らないと、入れすぎると測定そのものが狂います。
まず何を測りたいかを1つ決めて、その用途に合うものを1つ選びます。速度については、Chromeの開発者ツールで足りることが多い。
いま入れている拡張機能を一覧で開き、半年使っていないものを消すところから始まります。使っていないものが動き続けている状態は、それ自体が損です。
残すものも、常時有効にしておく必要はありません。使うときだけ切り替える形にすれば、普段の表示は軽いままで済みます。


