SEOと広告とSNSの使い分け|止めたときに何が残るかで選ぶ

「SEOと広告とSNS、どれに予算を使えばいいの?」と迷っていませんか?
配分の例を示す記事は多いものの、自社に合うかの基準までは書かれていないことがほとんどです。
この記事では、3つの役割の違いと、止めたときに残るもの、組み合わせる順番を解説します。
集客の手段を選ぼうとしている方が、金額の配分ではなく自社の状況から選べるようになります。
SEOと広告とSNSは、役割が違う

どれも「集客」という言葉で語られますが、やっていることが違います。役割が違うので、同じ物差しで比べることはできません。
予算をどう分けるかを考える前に、それぞれが何をするものかを押さえてください。役割が分かれば、自社に要るものが見えてきます。配分は、軸を決めたあとに考えれば十分です。まずは3つの違いを、言葉で説明できる状態にしてください。
広告は買う、SNSは知らせる、SEOは見つけてもらう
広告は、費用を払って表示の枠を買うものです。出した瞬間から、人が来るようになります。
SNSは、こちらから発信して知ってもらうものです。SEOは、検索している人に見つけてもらうものです。お金で枠を買うか、時間をかけて積み上げるかという違いもあり、費用の性質がまったく違います。広告は止めれば費用も止まり、記事やSNSは時間を使った分が残ります。
届く相手の状態が違う
SNSで届くのは、その商品やサービスをまだ探していない人が中心です。知ってもらう段階から始まります。
SEOで届くのは、その言葉で検索した人です。すでに困りごとを自覚していて、解決の手段を探しています。検索結果に出す広告も、同じように探している人が相手です。「知ってもらう」のがSNS、「見つけてもらう」のがSEOと広告と分けると整理しやすくなります。
広告を出しても、検索の順位は上がらない
Googleは、広告を出しても検索結果での表示には影響しないと明言しています。検索結果での順位について、お金を受け取ることも一切ないとしています。
広告と検索の順位は、まったく別の仕組みです。広告を止めた翌日から、広告の枠には出なくなります。順位は、広告費とは関係なく、ページの中身で決まると考えてください。
SEOと広告とSNSは、止めたときに残るものが違う

3つの最も大きな違いは、続けられなかったときに何が手元に残るかです。始める前に、ここを比べておいてください。
どの手段も、続けている間は効果があります。違いが出るのは、予算や人手が足りなくなって止めたときです。止める可能性が少しでもあるなら、止めたあとに残るものを重く見て選んでください。続けられる期間の見込みも一緒に考えておくと、判断しやすくなります。
広告は、止めると表示も止まる
配信を止めると、その日から広告は表示されなくなります。長く続けていても、止めた翌日には広告からの流入はなくなります。
売上は立ちますが、広告費を下げると問い合わせも減りがちです。続けるほど、広告に頼る形から抜けにくくなります。広告は、止められる前提で使うのが健全な付き合い方です。広告で来た人に記事やSNSも見てもらえば、止めたあとにも何かが残ります。
SNSは、投稿が流れていく
SNSの投稿は、時間とともに流れていきます。数か月前の投稿を、あとから見に来る人は多くありません。
一方で、フォロワーという形で、届けられる相手は残ります。ここが広告との違いです。ただし、表示の仕組みはSNSの運営会社が決めます。自分では管理できない場所に積み上げている点は、覚えておいてください。投稿の内容は、自社のサイトにも記事として残しておくと安心です。
記事は、残り続ける
書いた記事は、更新を止めてもそのまま残ります。検索結果からすぐに消えることはなく、書いた分が積み上がっていきます。
自社のサイトの中に積むので、運営会社の方針に左右されにくいのも特徴です。ただし、仕様や制度が変わる分野では、古い内容が誤りになります。年に何度かは、古くなった記述がないかを見直してください。
SEOと広告とSNSの、成果が出るまでの時間

成果が出るまでの時間と、止めたときに残るものは、逆の関係にあります。早く出るものほど、手元に残りにくい傾向です。
急いで結果がほしいのか、時間をかけて積み上げたいのかで、選ぶ手段は変わります。来月の売上が必要なら広告、1年後の土台を作りたいならSEOです。いつまでに何がほしいかを、先に決めてください。
広告は、出したその日から
設定して出せば、その日からクリックが発生します。反応も、数日で見え始めるのが普通です。
この速さは、検証にも使えます。どの言葉から問い合わせが来るかを、短い期間で確かめられます。ただし、出した瞬間から費用もかかるので、上限の金額を決めてから始めてください。少額で始めて、反応を見ながら増やしていくのが安全です。成果のない言葉から順に、広告を止めていきます。
SNSは、見てくれる人が増えるまで
始めてすぐに反応が返ることは、多くありません。見てくれる人が増えるまでに、時間がかかるのが普通です。
投稿の間隔が空くと、届く範囲も狭まりやすくなります。続けている間だけ効きやすいという点では、広告に近い性質も持っています。始める前に、どのくらいの頻度で投稿できるかを見積もってください。反応のあった投稿を記録しておくと、あとで記事の題材にも使えます。
SEOは、数週間から数か月
GoogleのSEOスターターガイドは、変更が反映されるまでに数時間から数か月かかると説明しています。効果を確かめるには、数週間待つのが一般的な目安です。
記事は1本では足りず、同じ分野の記事がまとまって存在する状態が要ります。始めたばかりの時期に見るのは、順位より検索での表示回数です。来月の売上が必要な状況なら、SEOだけに頼るのは向きません。
まずは、軸を決めて絞る

3つを同時に進められる事業者は、多くありません。分けると、どれも中途半端に終わりがちです。
まずは1つに絞り、それが回り始めてから次を足してください。予算を分けるより、期間で分けるほうが現実的です。最初の数か月はこれ、次の数か月はこれと順番に試せば、それぞれの結果を比べられます。絞ることは、残りを捨てることではありません。
分けると、どれも量が足りない
限られた予算を3つに分けると、それぞれが少額になります。広告はデータが集まらず、記事は本数が足りず、SNSは投稿の頻度が保てません。
どれも、判断に要る量に届かないまま終わります。その結果、何が効いたのかも分かりません。時間の面でも同じで、3つを運用し続けるには、本業の合間では足りないことがほとんどです。
1つを数か月続けてから判断する
まず1つに集中し、数か月続けてから数字を見ます。期間を短くしすぎると、判断を誤ります。
SEOを2か月で止めるのは、効果が出る前に降りているのと同じです。判断するのは、続けるかどうかより、やり方を変えるかどうかです。成果が出ないなら、手段を変える前に、その中での直し方を探してください。数字は、月ごとに並べて比べてください。
続けられるかで選ぶ
向き不向きだけでは決まりません。自分が続けられるかどうかも、大事な判断の材料です。
こまめに投稿できる人がいるならSNS、月に一度まとまった時間を取れるならSEOが続けやすくなります。担当者が1人なら、その人が抜けたときに止まる手段は避けたいところです。記事は残りますが、SNSの運用は引き継ぎが難しいことがあります。
SEOと広告とSNSを組み合わせる順番

1つ目が回り始めたら、2つ目を足します。組み合わせには、向いている順番があるものです。
うまく組み合わせると、片方で得た情報をもう片方に生かせます。広告やSNSで分かった反応を、記事の題材にするのが基本の形です。互いの弱みを補う組み合わせを選んでください。順番を間違えると、片方の手間が増えるだけになりがちです。まずは、今回っているものを軸に考えてください。
広告で言葉を確かめてから記事にする
広告を少額で出し、どの言葉から問い合わせが来るかを確かめます。成果のあった言葉だけを、記事の対象にするのが基本です。
この使い方なら、広告費は調べるための費用として生きてきます。問い合わせが来なかった言葉も、記事の対象から外す判断に使えます。記事を書く前に、需要を確かめられるのが利点です。少額で数週間出すだけでも、傾向はつかめます。
SNSの反応を、記事に広げる
SNSで受けた質問や、反応の多かった投稿を記事に広げます。読まれる内容が、先に分かっている状態です。
短い投稿で書ききれなかった部分を、記事で補う形です。ただし、SNSで反応がある話と、検索される話が一致しないこともあります。記事にする前に、実際に検索されているかも確かめてください。検索の回数は、キーワードプランナーなどで目安を確かめられます。
2つ目を足す時期
2つ目を足すのは、1つ目が安定してからです。その手段から、毎月の問い合わせが続くようになった時点が目安です。
回っていない段階で2つ目を始めると、1つ目まで止まることがあります。足す順番は、今回っているものによって変わるのが普通です。SEOが回っているなら広告を、広告が回っているならSEOを足すと、互いに補い合えます。
SEOと広告とSNSに関するよくある質問
広告を出すと、検索の順位も上がりますか
上がりません。Googleの案内には、広告の掲載は検索結果での表示に影響しないと書かれています。
広告を止めても、それが原因で順位が下がることもありません。広告の枠と、通常の検索結果は別の仕組みです。順位を上げたいなら、ページの中身を整える必要があります。広告と記事は、別々の目的で使い分けてください。
SNSのフォロワーが多いと、SEOに有利ですか
Googleは、フォロワーの数を順位の要素として案内していません。フォロワーが多いことが、そのまま順位につながるとは考えないほうが安全です。
ただ、SNSで記事を知った人が読みに来たり、名前で検索したりする流れは生まれます。SNSは、記事を知ってもらう入り口として使うのが現実的です。順位とは分けて考えてください。
予算が少ないなら、どれから始めればいいですか
急いで問い合わせがほしいなら、上限を決めた広告から始める方法があります。時間をかけられるなら、SEOで記事を積むのが向いている選択です。
お金をかけられないなら、SEOかSNSになります。どちらも時間はかかりますが、費用はほとんどかかりません。自分が続けられる形を選ぶことが、何より大切です。どれを選んでも、上限の金額と続ける期間を先に決めておいてください。
企業向けの商材では、どれが向いていますか
企業向けの商材は、検討の期間が長く、何度も調べてから決めることが多いものです。そのため、調べたときに見つかるSEOが軸になりやすくなります。
決まった言葉で探されるなら、検索結果に出す広告で需要を確かめる方法も向いています。SNSは、業界の中で名前を知ってもらう段階で役に立つ手段です。自社の顧客がどう探しているかで判断してください。
効果は、どうやって比べればいいですか
最終的には、それぞれから来た問い合わせの数で比べるのが確実です。広告は管理画面、SEOはSearch Console、SNSは各サービスの数字で確かめられます。
問い合わせのときに「何で知ったか」を聞くと、比べやすくなります。フォームに選ぶ欄を1つ置くだけでも構いません。数か月分を並べてから、配分を見直してください。
まとめ
SEOと広告とSNSは、役割も残るものも違います。予算を分ける前に、どれを軸にするかを決めてください。
止めたときに残るのは記事で、早く成果が出るのは広告です。まずは1つに絞って数か月続け、回り始めてから2つ目を足す順番で進めます。
まずは、自社に要るのが「知ってもらう」ことか「見つけてもらう」ことかを決めてください。