ChatGPTに自社が出てこない理由|2つの経路と、確認の手順
ChatGPTに「名古屋のホームページ制作会社は」と聞いて、競合は出るのに自社が出てこない。この状態を調べると、原因を並べて診断サービスへ誘導する記事が並んでいます。ただし手を打てる部分と、打てない部分があります。
この記事では、ChatGPTが自社を知る2つの経路を分けたうえで、まず確認すべき設定と、出てこないのが正常なケースを扱います。
ChatGPTが自社を知る経路は2つある

ChatGPTは2つの方法で情報を得ています。過去に読み込んだ学習データと、質問を受けたその場で行うWeb検索です。名前は同じChatGPTでも、仕組みも対策も別物です。
学習データ
モデルを作る段階で読み込まれた情報です。更新のタイミングは公表されておらず、いつ反映されるかも分かりません。こちらは、外部から働きかけて載せることができません。
創業して間もない会社や、Web上の情報が少ない事業者は、そもそも含まれていない可能性があります。ここを気にしても手の打ちようがありません。
「AIに学習させる」と称する有料サービスもありますが、外部から学習データに情報を差し込む手段は公開されていません。根拠を確認してから判断してください。
その場のWeb検索
質問を受けてから、関連するページを検索して回答を組み立てる仕組みです。こちらはクロールを許可し、答えが書かれたページを用意すれば対象になります。
つまり、今日から手を打てるのはこちらだけです。以下はすべて、この経路に対する対策として読んでください。
まず確認する|クローラーを拒否していないか

技術的な原因はここに集中します。クローラーを拒否していれば、何を書いても引用されません。確認は3分で終わります。
robots.txtの確認
自社サイトのURLの末尾に /robots.txt を付けて開いてください。テキストが表示されます。そこに GPTBot や OAI-SearchBot の記述があるかを見ます。
Disallow: / と書かれていれば拒否している状態です。セキュリティ対策や制作時の設定が、そのまま残っているケースがあります。
OAI-SearchBotとGPTBotの違い
OpenAIは用途別に3つのクローラーを使い分けており、robots.txtで別々に指定できます。GPTBotは学習用、OAI-SearchBotはChatGPTの検索用、ChatGPT-Userは利用者の操作を起点にしたアクセスです。
ここを混同すると事故が起きます。学習を拒否したつもりで、検索からも消えている状態です。学習に使われたくないなら、GPTBotだけを拒否してください。
- 参考:OpenAI Bots
直し方
検索に載せたいなら、OAI-SearchBotを許可します。robots.txtに拒否の記述があれば削除してください。反映には時間がかかり、OpenAIは検索側の反映に24時間ほどかかると説明しています。
サーバー側のセキュリティ設定でブロックしているケースもあります。robots.txtに問題がないのにアクセスがない場合は、サーバー会社に確認してください。
当サイトはOAI-SearchBotとChatGPT-Userを許可し、GPTBotは許可したままにしています。学習に使われても不利益がないと判断したためです。ここは事業の性質で決めてください。
出てこないのが正常なケース
設定に問題がなくても、出てこないことがあります。ただし、それが異常とは限りません。対策の前に、そもそも出る条件を満たしているかを見てください。
質問が広すぎる
| 質問 | 出る可能性 | 理由 |
|---|---|---|
| ホームページ制作会社は | 低い | 候補が全国に数万社ある |
| 名古屋のホームページ制作会社は | 中 | 地域で絞られる |
| 名古屋で採用サイトを頼むなら | 高い | 目的まで絞られる |
広い質問ほど、大手や比較サイトが選ばれます。まずは、絞った質問で出るかどうかを確かめてください。
母数が多すぎる
「3社教えて」という質問に対し、候補が数千社あれば、選ばれない確率のほうが高くなります。これは実力の問題ではなく確率の問題です。
絞り込みの条件を持つことが対策になります。業種特化や地域特化を打ち出していれば、その条件つきの質問で候補が数社まで減ります。
「何でもやります」と書いているサイトは、どの条件にも引っかかりません。対象を狭めるほど、狭めた領域では選ばれやすくなります。
聞き方で変わる
同じ質問でも、回答は毎回変わります。ログイン状態や過去のやり取りでも変わります。同じ条件で繰り返さない限り、1回の結果では判断できません。
引用される可能性を上げる3つ

クロールが通っている前提で、できることは3つです。3つとも、AI専用の施策ではありません。Googleが公式ガイドで示している方向と同じです。
結論を冒頭に置く
各見出しの直後1〜2文で、その見出しの答えを言い切ってください。AIは質問に直接答えている箇所を探します。前置きが長い記事は、取得されても引用の候補から外れます。
事業者情報を示す
誰が運営しているか分からないサイトは、情報源として採用しにくい対象です。運営者情報に事業者名、所在地、連絡先、対応業務を書いてください。
記事には著者名と、その人がなぜ書けるのかを添えます。名刺に書く程度の情報を、確認できる場所に置くだけです。
一次情報を持つ
調べた情報をまとめ直した記事は、他所にも同じ内容があります。選ぶ理由がありません。自社で試したこと、案件で起きた問題とその対処、検証した数値を書いてください。
数値を出すときは、いつからいつまでの何件を対象にしたのかを必ず添えます。条件のない数値は、読者にもAIにも検証できません。
確認と記録の手順

対策の前後で変化を見るには、確認の条件を揃える必要があります。毎回違う聞き方をすると、比較できません。
質問の作り方
自社名では聞かないでください。自社名を出せば当然出てきます。自社名を伏せて、見込み客が使う言葉で聞くのが唯一の確認方法です。
質問は10個ほど決めておきます。「名古屋で採用サイトを作りたい。制作会社の選び方は」のように、状況を含んだ形にすると実際の使われ方に近づきます。
記録の残し方
スプレッドシートで足ります。日付、AIサービス名、質問文、自社が出たか、引用元のURL。この5列を月1回埋めるだけです。
確認はシークレットウィンドウで行ってください。同じ質問でも、ログイン状態や履歴で結果が変わります。
記録が2〜3か月分たまると、対策の前後で変化があったかを判断できます。1回だけ見て一喜一憂しても、判断の材料にはなりません。
よくある質問
GPTBotは拒否したほうがいいですか。
学習に使われたくないなら拒否して構いません。ただしOAI-SearchBotまで拒否すると、ChatGPTの検索結果からも消えます。別々に指定してください。
どれくらいで反映されますか。
robots.txtの変更は、OpenAIの説明では検索側に24時間ほどで反映されます。ただし引用されるかどうかは別の判断が入るため、期間を断定することはできません。
有料のAIO診断ツールは必要ですか。
手作業の確認と記録で足ります。まずrobots.txtを見て、質問を10個決めて月1回記録する。ここまでを続けてから、必要かどうかを判断してください。
まとめ
ChatGPTが自社を知る経路は2つあり、手を打てるのはその場のWeb検索だけです。学習データは外から動かせません。
最初に確認するのはrobots.txtです。OAI-SearchBotを拒否していれば、何を書いても引用されません。GPTBotとは別々に指定できます。
設定に問題がなければ、質問の絞り方を確かめてください。広すぎる質問で出ないのは、異常ではありません。まず自社のrobots.txtを開くところから始まります。

