ホームページの原稿が書けないとき|書かずに集める進め方

「何を書けばいいか分からない」「白紙のまま2週間たった!」と止まっていませんか?
文章術の解説を読んでも、ホームページの原稿にはそのまま当てはまらないことが多いものです。
この記事では、原稿が止まる原因と、資料から集める方法、話して録音する方法、渡し方を解説します。
原稿の準備で止まっている方が、書かずに進める方法を選べるようになります。
ホームページの原稿が止まる3つの原因

原稿が書けないとき、原因は文章力ではありません。何を書くかが決まっていないまま、いきなり文章にしようとしていることが原因です。文章の練習をしても、この状態は変わりません。
書くという作業は、最後の段階にあたります。文章にする前に、決めておくことが3つ残っているから手が止まるのです。どれに当てはまるかを、先に確かめてください。
① 誰に向けるかが決まっていない
全員に向けて書こうとすると、手が止まります。同じサービスでも、初めて検討する人と、他社と比べている人では、必要な説明が違います。
実際にいたお客さまを1人だけ思い浮かべてください。その人に説明するつもりで考えると、書く中身が絞られます。最初に問い合わせてきたときに、その人が何を聞いてきたかを思い出すのが近道です。
② 完璧に書こうとしている
専門の知識がある人ほど、正確に書こうとして説明が長くなります。例外や条件をすべて書こうとすると、いつまでも終わりません。
ホームページは印刷物と違い、公開したあとに何度でも直せます。まず粗い形で出し、そこから削るほうが早く進みます。最初から完成形を目指さないことが、止まらないためのいちばんの工夫です。
③ 書く順番が決まっていない
何から書くかが決まっていないと、書き出しで止まります。会社の理念から始めるべきか、サービスの説明からか、と迷い続ける状態です。
読む人が最初に知りたいのは、自分の困りごとが解決するかどうかです。理念や沿革は、そのあとで構いません。迷ったら、問い合わせでよく聞かれる順に並べてください。実際に知りたがられている順番が、そのまま構成になります。
ホームページの原稿の材料は、手元の資料から集める

原稿は、白紙から書く必要はありません。すでに書いた文章が、社内のあちこちに散らばっています。
会社案内や営業資料は、時間をかけて作られ、中身の確認も済んでいる文章です。集めた資料は、次のようにページへ割り振れます。新しく書く部分は、思っているよりずっと少なく済みます。
| 手元の資料 | 使えるページ |
|---|---|
| 会社案内、名刺、チラシ | 会社の情報、強み |
| 営業資料、提案書 | サービスの説明 |
| 過去の見積書 | 対応できる範囲、料金の目安 |
| 問い合わせへの返信メール | よくある質問 |
返信メールは、よくある質問の原稿になる
見落とされがちなのが、問い合わせへの返信メールです。よく聞かれる質問には、これまで何度も答えてきています。
集めるのは、過去の返信のうち同じ質問への答えです。お客さまに向けて書いた文章なので、ほとんど手を入れずに使えます。個人名や金額など、載せられない情報だけは消してください。質問ごとに1つのファイルへまとめておくと、あとで並べ替えやすくなります。
見積書から、対応できる範囲が分かる
過去の見積書には、どこまで対応しているかが具体的に書かれています。サービスを紹介するページに欠かせない情報です。
価格をそのまま載せる必要はありません。金額は伏せたまま、対応できる範囲を整理する材料として使えます。よく出る項目と、めったに出ない項目を分けると、主力のサービスも見えてきます。見積書を年ごとに見比べれば、依頼の傾向の変化もつかめて一石二鳥です。
集めてから、足りない部分だけ書く
会社の情報、サービスの説明、対応できる範囲、よくある質問は、手元の資料からほぼそろいます。新しく書くのは、その会社ならではの考え方や、選ばれている理由くらいです。
当サイトの記事も、書き始める前に公式の説明や上位の記事の見出しを集めています。材料が先にそろっていると、書く時間は大きく縮みます。白紙を前に悩む時間を、集める時間に変えてください。
ホームページの原稿は、話して録音するほうが早い

文章にできない人でも、聞かれれば答えられます。原稿を書く作業を、話す作業に置き換えるのが近道です。書くのが苦手な人も、お客さまへの説明なら毎日のように続けています。
録音して文字にすれば、それがそのまま素材になります。整った文章にする作業は、あとからで構いません。話すのが得意な人ほど、この方法で一気に進みます。録音は、スマホの録音の機能だけで足ります。
質問してもらう形にする
1人で話すのは難しいため、誰かに質問してもらいます。社内のほかの人でも、制作会社の担当者でも構いません。
- 何をしている会社か
- ほかの会社とどう違うか
- どんな人から依頼が来るか
- 依頼してから何が起きるか
この4つを順に聞いてもらえば、サービスのページの大半が埋まります。答えに詰まった質問は、そのまま考えを深める宿題になります。
文字起こしを使う
録音した音声は、スマホのアプリなどで自動で文字にできます。文字の正確さが完璧でなくても、中身が分かれば足ります。
この段階では、読みやすさを気にしないでください。言い直しや口ぐせが残っていても、素材としては十分です。きれいに整えるのは、制作会社の仕事として任せられます。文字にした原稿は、話した本人が一度読み返し、事実の誤りだけ直しておきます。
普段の言葉が残る
書こうとすると硬い文章になりがちですが、話した言葉はそのままでも読みやすいことが多いものです。お客さまに説明するときの言い回しが、そのまま使えることもあります。
専門用語を避けて説明する言い方も、話しているときのほうが自然に出てきます。読む人にとっては、普段の説明の言葉のほうが伝わりやすいのです。きれいな文より、伝わる文を優先してください。
ホームページの原稿を制作会社に渡す形

集めた材料は、整えずにそのまま渡して構いません。箇条書きでも、メモでも、もとの資料のファイルでも大丈夫です。
制作会社は構成の型を持っているため、ばらばらの情報でも並べ替えられます。整える作業は受け取る側の仕事なので、発注側が抱え込む必要はありません。抱え込むほど、制作の期間が延びていきます。迷ったら、集めたものを全部まとめて渡してください。
渡す形の例
形式はそろっていなくても、中身が入っていることのほうが大切です。たとえば、次のような形で渡せます。
- 会社案内や営業資料のファイル
- 過去の返信メールを写した文章
- 話した内容の文字起こし
- 伝えたいことの箇条書き
どのページに使ってほしいかを一言添えると、やり取りが1往復減ります。写真がある場合は、どの写真をどこに使いたいかも書いておくと親切です。
足りない部分は聞いてもらう
渡したあとは、制作会社から質問が届くのが普通です。そこで答えれば、足りない情報が埋まっていきます。
質問の一覧を渡されて、全部を一度に埋めようとすると止まります。答える量が多すぎて返せず、そこで進行が止まる例は少なくありません。やり取りしながら少しずつ答えるほうが、結果として早く終わります。1回に答える数を絞ると、返事が止まりにくくなります。
ホームページの原稿を任せる範囲の3段階

資料を集める時間も取れない場合は、任せる範囲を広げます。考え方は、次の3段階です。自社の手間と費用のどちらを重く見るかで、合う段階が決まります。
どれを選んでも構いません。大事なのは、決めないまま止まり続けないことです。見積を取る段階で、どこまで任せるかを伝えておくと話が早く進みます。途中で段階を変えることもできるため、最初の選択に悩みすぎないでください。
① 材料を集めて渡す
手元の資料や録音を集めて渡し、文章に整えるのを制作会社に任せる形です。発注側の手間は集めるところまでで済みます。
費用を抑えたい場合は、この形がいちばん現実的です。自社のことを最もよく知っているのは自社なので、材料の質が保たれます。集めるのに1〜2週間の時間を見込んでおくと、制作の予定も崩れません。集めた材料は、制作会社に渡す前に社内で1回見てもらうと安心です。
② 取材してもらう
制作会社が質問し、その答えをもとに原稿を作る形です。発注側は、話すだけで済みます。
費用は加わる代わりに、待ち時間を減らせるのが利点です。制作の期間が延びる原因の多くは原稿待ちなので、結果として公開が早まることがあります。取材の前に、資料だけは先に渡しておくと質問の質が上がります。取材の回数は、ページの数や内容に合わせて相談してください。
③ すべて任せる
文章まで含めて依頼する形です。この場合も、事実の確認は発注側が行います。原稿の費用は、ページ数か文字数で決まることが多い項目です。
サービスの中身や実績に誤りがあれば、責任は発注側に残ります。任せる場合でも、確認の時間だけは必ず確保してください。見積書に「ライティング」や「コンテンツ制作」の項目があるかで、原稿が含まれているかを確かめられます。
ホームページの原稿に関するよくある質問
文章が下手でも、そのまま渡していいですか
構いません。整える作業は、制作会社が行います。中身が入っていれば、文章のうまさは問われません。整えるのは、制作会社が普段からしている仕事です。
むしろ、うまく書こうとして時間がかかるほうが困ります。誤字や言い回しは気にせず、伝えたいことを箇条書きで並べてください。読みにくい部分があれば、制作会社から質問が来ます。箇条書きの順番も、気にしなくて大丈夫です。
AIに原稿を書かせてもいいですか
下書きを作るのには使えます。ただし、自社の実績やサービスの中身は、AIには分かりません。
Googleも、生成AIで作る場合は正確さ、品質、関連性を優先するよう求めています。AIが書いた文は、事実と違う部分がないかを必ず確かめてください。自社にしかない経験や数字は、自分で足す必要があります。AIの下書きは、話して録音した素材を整えるのに使うと効果的です。
どのくらいの量を用意すればいいですか
量より中身です。1ページあたり数行のメモでも、必要な情報が入っていれば足ります。数行の中に、誰に何を伝えたいかが入っていれば合格です。
足りない部分は、制作会社からの質問で補えば十分です。最初から多く用意しようとすると、それだけで時間がかかります。ページごとに、伝えたいことを3つほど書き出すところから始めてください。量が少なくても、話し合いながら増やしていけます。
ほかの会社のサイトを参考にしてもいいですか
構成を参考にするのは有効です。どんな順番で何を説明しているかは、大いに参考になります。見出しの並びや、写真の置き方を見比べると、伝え方の型が分かります。
ただし、文章をそのまま写すのは避けてください。著作権の問題になるうえ、自社らしさも失われます。参考にするのは伝える順番だけにして、言葉は自社のものを使います。参考にしたサイトは、制作会社にも見せておくのがおすすめです。
公開したあとで、原稿を直してもいいですか
直して構いません。ホームページは、公開したあとに直せることが印刷物との大きな違いです。
実際に問い合わせが来るようになると、お客さまが何に迷っているかが見えてきます。その答えを原稿に足していくと、ページは少しずつ良くなります。自社で直せる作りにしておくと、そのたびに頼む手間がかかりません。直した日を記録しておくと、問い合わせの変化と見比べられます。
まとめ
ホームページの原稿が止まるのは、文章力の問題ではありません。誰に向けるか、完璧さ、順番のどれかが決まっていないためです。
原稿は白紙から書かず、会社案内、営業資料、返信メールなど手元の資料から集めます。それでも足りなければ、質問してもらって話したことを録音してください。集めた材料は整えずに渡し、足りない部分は質問に答えて埋めます。
まずは、手元にある会社案内や営業資料を1か所に集めてください。