ホームページ制作会社の選び方|見積書で確かめる7項目と、避けたいサイン

「見積の金額が会社ごとに違いすぎる」「どこを見て選べばいいの!」と迷っていませんか?
金額だけを比べても、公開したあとにかかる手間や費用までは見えてきません。
この記事では、見積書で確かめる7項目、依頼前に決めること、公開後の更新、避けたいサインを解説します。
はじめて制作会社を選ぶ方が、金額以外の判断材料を持って比べられるようになります。
ホームページ制作会社に依頼する前に決める3つ

依頼する前に決めるのは、目的、予算の上限、公開時期の3つだけです。ページ数や機能は、決まっていなくて構いません。
| 決めること | 書き方の例 | 決めていないと起きること |
|---|---|---|
| 目的 | 採用の応募を増やしたい | 各社が得意な形を提案してくる |
| 予算の上限 | 総額でいくらまで | 提案の規模がばらばらになる |
| 公開時期 | 展示会の前までに | 素材の準備が間に合わない |
① 目的
何のためのサイトかを、ひと言で書いてください。「採用の応募を増やしたい」「取引先に会社概要を示したい」で十分です。目的が違えば、必要なページも構成も変わります。
目的があいまいなまま相談すると、デザインに強い会社は見た目を、集客に強い会社は記事を勧めてきます。どちらが正しいかは、目的が決まって初めて判断がつくものです。
② 予算の上限
上限を伝えると高く見積もられる、と心配する方もいます。実際は逆で、予算を伝えないほうが提案がぶれます。
同じ「ホームページ制作」でも、予算によって作れるものはまったく違うのです。上限を伝えたうえで、その範囲で何ができるかを提案してもらってください。
範囲を超える提案ばかりする会社は、この時点で見分けられます。
③ 公開時期
いつまでに必要かを決めておきます。展示会や採用の募集開始など、動かせない期日があるなら必ず伝えてください。
制作が遅れる原因の多くは、制作会社の作業ではなく、原稿や写真がそろわないことです。期日から逆算して、素材をいつまでに渡せるかも一緒に決めておきます。
期日が迫っている場合は、最初に公開するページを絞り、残りを後から足す進め方も相談できます。
ホームページ制作会社の見積書で確かめる7項目

見積書を受け取ったら、次の7項目が書かれているかを照らしてください。書面にない項目は、あとから別料金になったり、認識がずれたりしやすいところです。
見積書には決まった書式がなく、同じ作業でも会社によって項目名が違います。分からない項目は、その場で中身を聞いてください。7項目を表にしておき、各社の見積書を同じ表に書き写すと比べやすくなります。
① 作業範囲が作業名で書かれているか
「ホームページ制作一式」の1行だけなら、内訳を求めてください。作業名で並んでいる見積書は比べやすくなります。トップページ、下層ページ、スマホ対応、フォームの設置といった並びです。
「ディレクション費」に設計が含まれる会社もあれば、別の項目にする会社もあります。名前が違っても中身が同じことがあるため、金額だけで比べないでください。
② 原稿と写真をどちらが用意するか
金額を大きく動かすのが、原稿と写真です。取材して原稿を書く作業や撮影を頼むと、その分の費用が上乗せされます。
自社で用意すれば費用は下がりますが、そのぶん社内の時間を使います。どちらが用意するかが書かれていない見積書は、ほかの会社と比べられません。
安く見えた見積が、原稿を含まない前提だったという行き違いはよく起きます。
③ 修正は何回まで含まれるか
デザインや文章の修正が、何回まで料金に含まれるかを確かめます。回数の上限を超えると、1回ごとに追加料金がかかる契約もあります。
社内の確認者が多い会社ほど、修正の回数は増えがちです。誰が最終的に決めるのかを、自社の側でも先に決めておいてください。
修正の受け付けがいつまでかも、あわせて聞いておきます。公開後の修正は、保守や更新の扱いになることが多いためです。
④ 公開前の確認に何が含まれるか
公開前に、スマホでの表示と問い合わせフォームの送信を確かめてもらえるかを聞きます。見た目が整っていても、送信できないフォームでは問い合わせが届きません。
当サイトでも、送信の仕組みを持たないフォームを公開していたことがありました。問い合わせの導線16か所が、そのフォームを指していたのです。公開の前に、実際に送信して届くかを試すことが欠かせません。
⑤ 納期と、素材が遅れたときの扱い
納期だけでなく、素材を渡す期限も書かれているかを見ます。原稿や写真が遅れたとき、納期がどう延びるのか、費用が変わるのかを確かめておきます。
素材の遅れで作業が止まり、制作会社が次の案件に移ってしまうと、再開までに時間がかかるのが実情です。自社の側の遅れで納期が延びた場合の扱いも、契約書で確かめてください。自社で用意するものと、その期限を一覧にしてもらうと安心です。
⑥ ドメインとサーバーの名義
ドメインとサーバーを、誰の名義で契約するかを確かめます。制作会社の名義になっていると、乗り換えるときに移す手続きが必要になります。
できれば自社の名義で契約し、制作会社には作業に必要な権限だけを渡してください。更新の費用を誰が払い、期限を誰が管理するのかも決めておきます。
名義の決め方は、ホームページのドメインの決め方で扱っています。
⑦ 成果物の権利
納品されたサイトのデータや、デザイン、写真の権利が自社に残るかを確かめます。契約書に権利が発注者に移ると書かれているかを見てください。
口頭の約束だけでは、担当者が変わったときに残りません。別の会社に乗り換えるとき、データを引き渡してもらえるかもあわせて確かめておきます。
素材サイトの写真のように、権利を移せないものがあるかも聞いておくと安心です。
公開後の更新の形で、数年後の負担が変わる

選んだあとに後悔が出やすいのが、公開後の更新です。制作費が安くても、更新のたびに費用と待ち時間がかかる契約なら、数年で総額が逆転します。
見積を比べるときは、制作費だけでなく、公開後に毎年かかる費用も足して比べてください。お知らせの追加、料金の変更、写真の差し替えのように、更新は思ったより頻繁に起きます。
自社で更新できる形で納品されるか
WordPressのように管理画面から編集できる形か、制作会社しか触れない形かで分かれます。お知らせの追加や料金の変更を、自社でできるかを契約前に確かめてください。
当サイトも自作のテーマを使い、記事は管理画面から自分で追加しています。プラグインをほとんど入れていないため、更新の操作は文章を書いて公開するだけです。
操作の説明を、納品時に受けられるかも聞いておきます。
更新を頼むときの単価を確かめる
毎回依頼する契約なら、1件あたりの単価を書面で確かめてください。文言の修正、写真の差し替え、ページの追加で、それぞれいくらかかるかです。
月に1回の更新でも、数年続けば大きな金額になります。積み上がると、制作費の差より大きくなることもあります。
依頼してから反映されるまでの日数も、あわせて聞いておいてください。
保守の月額に何が含まれるかを確かめる
公開後に保守の契約を勧められることがあります。月額に、更新の作業まで含まれるのか、サーバーの管理だけなのかで中身は大きく違います。
含まれる作業を一覧で出してもらい、自社で必要なものだけを残してください。WordPressなら、本体やプラグインの更新を誰が行うのかも決めておきます。
自社で更新できる形なら、保守は最低限で足りることもあります。
SELF CHECK
公開後のサイトの更新は、どうする予定ですか。
診断結果
管理画面で直せる範囲を確かめます
お知らせや料金、写真の差し替えまで自社でできるかを、契約前に確かめてください。操作の説明を納品時に受けられるかも聞いておきます。
診断結果
単価を総額に足して比べます
更新1件あたりの単価と、反映までの日数を書面で確かめてください。年に何回直すかを見積もり、制作費に足して比べます。
診断結果
月額に含まれる作業を一覧にします
更新が何回まで含まれるか、サーバーの管理だけなのかを確かめます。含まれる作業を一覧で出してもらい、不要なものは外してください。
診断結果
見積を取る前に決めます
更新の形で、数年の総額が変わります。社内で更新を担当できる人がいるかを先に確かめ、それに合う納品の形を各社に伝えてください。
制作会社によって金額に差が出る3つの理由

同じページ数のサイトでも、見積の金額は会社によって大きく違います。その差の多くは、値札ではなく作業の範囲と作り方の違いです。
| 差が出る箇所 | 高くなる側 | 安くなる側 |
|---|---|---|
| 原稿 | 取材して書く | 自社で用意する |
| 写真 | 撮影を手配する | 手持ちや素材を使う |
| 設計 | 構成から提案する | 指定の構成で作る |
| 公開後 | 更新まで対応する | 納品して終わる |
まずは、各社の見積がどちらの前提かを書き出してください。
① 対応範囲の違い
安い見積は、表の右側が前提になっていることが多くあります。総額ではなく、どちらの前提の金額かを見てください。
右側の前提で頼むなら、原稿や写真を用意する時間を社内で確保できるかを先に考えます。時間が取れないなら、左側の作業を含めた見積と比べるほうが現実的です。
前提をそろえて見積を取り直すと、差は小さくなります。表のどちら側で頼むかを、各社に同じように伝えてください。
② 制作体制の違い
社内で作る会社と、作業の一部を外に出す会社では、かかる費用の内訳が変わります。どちらが良いという話ではなく、外に出す場合はやり取りが増えて期間が延びることがあります。
「作業するのはどなたですか」と聞いてください。窓口と実際の作業者が違うのは普通ですが、体制を説明できない会社は避けたほうが無難です。担当者が途中で変わる場合の引き継ぎ方も聞いておきます。
③ 作り方の違い
用意されたテンプレートに文章を流し込むか、一から設計して作るかでも金額は変わります。テンプレートでも、目的に合っていれば十分に役目を果たします。
大切なのは、どちらの作り方なのかが見積書から読み取れることです。作り方によって、あとから変えられる範囲も変わるため、更新したい部分が直せるかも確かめておきます。
避けたほうがよい制作会社の3つのサイン

次の3つは、ほかの条件がどれだけ良くても補えません。1つでも当てはまれば、候補から外してください。
当てはまる会社に、理由の説明を求める必要はありません。どれも、商談の場や見積書の段階で見分けられるものです。契約してから気づくと、取り返すのに時間も費用もかかります。気になる点があれば、署名の前に書面で答えてもらってください。
① 極端に安いのに、含まれない作業を説明しない
相場より極端に安い見積には、含まれていない作業があります。原稿も写真も自社で用意し、テンプレートに流し込むだけ、という前提が多くあります。
それを承知で頼むなら問題ありません。問題なのは、含まれないことを説明せず、安さだけを示す場合です。何が含まれないのかを聞き、答えが返らなければ外します。
安さの理由が説明できる会社なら、候補に残して構いません。
② 実績を見せない
「守秘義務があるので」と、一切見せない会社は避けてください。公開されているサイトを作った実績があれば、URLは示せることになります。
見せてもらったら、実際にそのサイトを開き、スマホでも確かめてください。表示が崩れていないか、読み込みが遅くないかは、自分の目で分かります。
フォームがあれば、送信できる作りになっているかも見ておきます。
③ 契約書を出さない
見積書だけで作業を始めようとする会社とは、契約しないでください。作業範囲、修正の回数、納期、権利、解約の条件が書面にないと確かめようがありません。
契約書の内容が難しければ、その場で説明を求めてください。説明できない条項がある場合は、署名の前に持ち帰って読み直します。急いで署名を求められても、応じる必要はありません。
ホームページ制作会社の選び方に関するよくある質問
制作会社と個人、どちらに頼むほうがいいですか
規模ではなく、体制で判断してください。個人でも契約書を交わし実績を示す人はいますし、会社でも作業の大半を外に出していることがあります。
見積書の7項目に答えられるかで見分けられます。個人に頼む場合は、病気などで作業が止まったときの代わりの体制も聞いておいてください。データの預け先も確かめておくと、いざというときに困りません。
相見積もりは何社から取ればいいですか
3社ほどで足ります。多すぎると、比べる作業だけで疲れてしまい、1社ずつの提案を読み込めなくなります。断る会社への連絡も、早めに済ませてください。
大切なのは、全社に同じ条件を渡すことです。目的、予算の上限、公開時期を1枚にまとめて渡してください。そろえないと、提案の差が実力の差なのか条件の差なのか分かりません。
一括見積もりサイトは使ってもいいですか
候補を見つける入口としては使えます。ただし掲載が有料の場合もあり、表示の順番が実力を表しているとは限りません。
候補を絞ったあとの判断は、見積書の7項目で自分で確かめてください。一度に多くの会社から連絡が来ることもあるため、対応できる数に絞って申し込むと負担が減ります。
申し込む前に、目的と予算の上限を書いた1枚を用意しておくと、どの会社にも同じ説明ができます。
地元の制作会社に頼むメリットはありますか
打ち合わせや撮影で会いやすいことが、いちばんの利点です。写真を撮りに来てもらう、店舗を見てもらうといった作業がある場合は、近さが効いてきます。
一方、やり取りがオンラインで済むなら、所在地で選ぶ理由は小さくなります。地元の会社でも、比べ方は見積書の7項目と同じです。近さだけを理由に、ほかの項目の確認を省かないでください。
制作期間はどれくらい見ておけばいいですか
期間は、ページ数よりも原稿と写真がそろう早さで決まります。制作会社の作業が早くても、素材を待つ時間が長ければ公開は遅れます。
公開時期から逆算し、素材を渡す期限を先に決めてください。原稿が書けない場合は、制作会社に聞き取りでまとめてもらう方法もあります。その場合は費用と期間がどう変わるかを、見積の段階で確かめておきます。
まとめ
依頼する前に、目的、予算の上限、公開時期の3つを決めてください。ページ数や機能は、決まっていなくて構いません。
見積書は7項目で照らし、特に原稿と写真の分担、公開前の確認、成果物の権利を書面で確かめます。公開後の更新の形も、総額に入れて比べてください。
まずは目的をひと言で書き出し、全社に同じ条件を渡すところから始めます。