ホームページリニューアルの費用|作り直す前に、直すだけで済む範囲を見極める

「そろそろ作り直すべき?」「でも100万円は出せない!」と迷っていませんか?
相場を調べるほど金額の幅が広く、判断の材料になりません。並んでいるのは、全面的に作り直した場合の金額です。
この記事では、作り直しが要る症状と部分修正で済む症状の違い、範囲ごとの費用、見積で金額差が出る4項目、作り直しても成果が出ない場合、リニューアルで失うものまでを解説します。
リニューアルを検討している方が、見積を取る前に自社に必要な範囲を判断できるようになります。
リニューアルの前に、直すだけで済むか確かめる

リニューアルを検討するとき、最初にやるのは見積を取ることではありません。いま困っていることを1つ書き出すことです。
その症状が構造そのものから来ているなら全面的な作り直しが要ります。そうでなければ、部分的な修正で解決することがほとんどです。
部分の修正で済む症状
スマートフォンで表示が崩れる、SSLに対応していない、表示が遅い、更新の仕方が分からない。これらは既存のサイトを直すだけで解決します。
- スマートフォンでレイアウトが崩れる
- アドレスが http のまま(SSL未対応)
- ページの表示が遅い
- 問い合わせフォームが動いていない
- お知らせを自分で更新できない
最後の項目だけは、CMSが入っていない場合に入れ替えが必要になります。入れ替えが必要になっても、全面リニューアルよりは安く収まります。
色や書体が古い、写真が使い回し、文章が事業の実態と合っていない。これらは中身を差し替えれば直ります。
作り直しが要る症状
ページ構成そのものが目的と合っていない場合や、事業内容が変わって伝えるべきことが根本的に変わった場合です。
あるいは、制作会社と連絡が取れず更新できない、使っているシステムのサポートが終了している。この2つは技術的に手を入れられないため、作り直すしかありません。
スマートフォンで見たときに横スクロールが出る、更新が自分でできない、ページを追加できない。これらは構造の問題です。
部分的に直しても、次の要望でまた同じ壁に当たります。作り直したほうが、結果として費用が抑えられます。
SELF CHECK
いま困っていることを1つ挙げるとしたら、どれですか。
診断結果
部分的な修正で済みます
色や書体、写真、文章の差し替えで対応できます。構造を変える必要はありません。
全面的に作り直すと、URLの変更や転送の設定が発生します。避けられるなら避けたほうが安全です。
診断結果
作り直しを検討します
更新できない状態は、構造の問題です。部分的に直しても、次の要望でまた同じ壁に当たります。
WordPressで組み直せば、公開後は自社で更新できます。結果として費用は抑えられます。
診断結果
構造から作り直します
画面の幅に応じて見え方を変える仕組みが入っていません。部分的な修正では直りません。
Googleはスマートフォン版の内容で評価します。この状態を放置すると、検索でも不利になります。
診断結果
作り直しても解決しません
見た目を変えることと、検索で見つかることは別の話です。まず原因を確かめてください。
索引に登録されていないのか、狙う語が競合の強いものなのか。それが分かる前に作り直しても、同じ状態が続きます。
リニューアル費用は作り直す範囲で決まる

費用は作業範囲で決まります。全面、CMSの入れ替え、部分修正の3段階で考えると分かりやすくなります。
相場として出回っている数字は、ほぼ全面リニューアルのものです。部分修正なら、その1割程度で収まることもあります。
3つの範囲
| 範囲 | 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 部分修正 | 崩れている箇所、SSL対応、表示速度 | 数万円〜20万円 |
| CMS入れ替え | 自社で更新できる仕組みに載せ替え | 20万〜60万円 |
| 全面リニューアル | 構成から設計し直して作り替え | 50万円〜 |
2026年8月時点で公開されている料金表から範囲をまとめたもので、特定の1社の価格ではありません。ページ数や機能によって前後します。
見た目だけを変える、構造から作り直す、その中間。この3つで費用が大きく変わります。
見た目だけなら数十万円、構造からなら100万円を超えることもあります。まずどの範囲が必要かを決めてから、見積もりを取ります。
判断の材料は、いま困っていることを1つ書き出すことです。それが見た目の話なら部分修正、更新や機能の話なら作り直しです。
リニューアルの見積書で金額差が出る4項目

同じ内容でも、見積の金額は会社によって大きく違います。差が出るのはページ数、デザインの作り方、原稿と写真の分担の3つです。
特に3つ目の影響が大きくなります。原稿と写真を自社で用意できるかどうかで、総額が変わります。
原稿と写真をどちらが用意するか
見積書で「コンテンツ制作」「ライティング」と書かれている項目です。ここが自社負担になっていれば安く、制作会社が用意するなら高くなります。
安い見積が出たときは、この部分が自社負担になっていないか確認します。あとから原稿を求められて、進行が止まることがあります。
ここが曖昧なまま進むと、公開が遅れます。原稿が揃わずに待ちになる案件は珍しくありません。
制作会社が原稿を書く場合、取材の回数と費用を確認します。写真も、撮影が含まれるのか、こちらで用意するのかを決めておきます。
写真を自分で用意する場合、スマートフォンで撮ったものでも構いません。ただし明るい場所で、水平を意識して撮ります。暗い場所で撮った写真は、加工しても限界があります。
ひな型か個別デザインか
既製のテンプレートを使うか、ゼロからデザインするかで金額が変わります。テンプレートでも十分な業種は多くあります。
見た目の独自性が受注に直結する業種でなければ、デザインに費用を寄せるより、内容を充実させたほうが成果につながります。
ひな型を使うと費用は下がりますが、同じ見た目のサイトが他にも存在します。業種によっては問題になりません。
個別に作る場合、デザインの確認に時間がかかります。何回まで修正できるかを、契約前に確認しておきます。
目安として、2回から3回の修正が含まれていれば通常の範囲です。それを超えると追加費用になる契約が多く、事前に確認しておくと後で揉めません。
移行作業が含まれているか
既存の記事やページを新しいサイトへ移す作業です。件数が多いと、それだけで数十時間かかります。
見積に含まれていない場合、自分で移すことになります。ページ数を数えてから、どちらが担当するかを決めてください。
既存のサイトから、文章や画像を移す作業です。ページ数が多いと、この作業だけで相応の時間がかかります。
見積もりに含まれているか、別料金かを確認します。含まれていない場合、自分で移すことになります。
ページ数が20を超えるなら、この作業の扱いは必ず確認します。1ページあたり数千円で見積もられることもあります。
リニューアルしても成果が出ない場合

リニューアルで変わるのは見た目です。その内側には導線があり、さらに内側には流入があります。
外側だけ新しくしても、内側が空のままなら数字は動きません。見た目を作り直す前に、内側の2つを確認してください。
まず動作を確かめる
このサイトで実際にあったことです。トップページの問い合わせフォームに送信処理が実装されておらず、押しても「準備中です」と出るだけの状態でした。
しかもヘッダーからフッターまで16箇所すべてのボタンが、その動かないフォームを指していました。デザインを作り直しても、この状態では問い合わせは1件も届きません。
公開直後に確認するのは4点です。フォームから送信できるか、スマートフォンで崩れていないか、旧URLから転送されるか、noindexが残っていないか。
とくにnoindexは、テスト中の設定がそのまま残ることがあります。残っていると、検索結果から全ページが消えます。
確認は公開の当日に行います。翌日に回すと、その間に検索エンジンが誤った状態を読み取ります。
流入がないなら順番が違う
検索から人が来ていない状態でリニューアルしても、見る人が増えるわけではありません。作り直しの費用より、記事を増やすほうが先になります。
Search Console で表示回数を確認します。ここが月に数十回しかないなら、デザインの問題ではありません。
作り直しても、検索からの流入は自動では増えません。見た目を変えることと、検索で見つかることは別の話です。
流入がない状態なら、まず原因を確かめます。索引に登録されていないのか、狙う語が競合の強いものなのか。それが分かる前に作り直しても、同じ状態が続きます。
リニューアルで失うもの

リニューアルには失うものもあります。上位に出てくる制作会社の記事では、あまり触れられない部分です。
最も大きいのはURLの評価です。ページのアドレスが変わると、そのURLに蓄積された評価は引き継がれません。
URLを変えないという選択
リニューアルの際、URLの構造を変えないことは可能です。デザインとシステムだけ入れ替えて、アドレスをそのまま維持します。
どうしても変える場合は、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。評価の一部は移りますが、全部が引き継がれるわけではありません。
URLをそのまま使えば、これまでの評価が引き継がれます。転送の設定も不要です。
デザインを変えるだけなら、URLを変える理由はありません。制作会社から変更を提案された場合、理由を確認してください。
削除したページの扱い
このサイトでは記事を全削除して入れ替えた経験があります。削除した22本は410を返す設定にしましたが、Search Console の表示回数はしばらく旧URLから出続けました。
逆に言えば、履歴の残っているURLは再利用する価値があります。同じアドレスで新しい記事を出せば、そのURLの実績を引き継げる場合があります。
内容を統合したページは、旧URLから統合先へ転送します。単に削除しただけだと、そのURLへのリンクがすべて切れます。
転送の設定は、公開と同時に行います。後から気づいて設定しても、その間の流入は失われています。
転送先は、内容が最も近いページにします。すべてをトップページへ転送すると、Googleは転送を無視して404として扱うことがあります。
よくある質問
リニューアルは何年ごとに必要ですか。
年数では決まりません。3年から5年という目安が示されることもありますが、困っていることがなければ作り直す理由はありません。症状で判断してください。
安い見積と高い見積、どちらを選ぶべきですか。
金額ではなく作業範囲で比較します。原稿と写真の分担、移行作業の有無、公開後のサポート。この3つが含まれているかで総額が変わります。
今のサイトを作った会社に頼むべきですか。
連絡が取れて対応に不満がなければ、そのほうが安く早く済みます。既存の構造を把握しているためです。連絡が取れない場合は、移管の手続きから確認します。
リニューアル後にアクセスが減ることはありますか。
あります。URLを変えたときや、既存のページを削除したときに起きます。旧URLからの転送を設定し、削除するページは事前に流入があるか確認してください。
まとめ
リニューアルの費用は、作り直す範囲で桁が変わります。相場として出ている金額は全面的に作り直した場合のもので、部分修正ならその1割程度で収まることもあります。
判断は症状から始めます。構造が原因でなければ、作り直さずに直せることがほとんどです。
見た目を新しくする前に、フォームが動くか、人が来ているかを確かめます。この2つが空のままでは、デザインを変えても数字は動きません。
まず、いま困っていることを1つだけ紙に書き出すところから始まります。それが構造の問題か、部分の問題かを見分けてから、見積を取ってください。


