ホームページの保守費用|月額に何が含まれるかを先に確かめる

「毎月払っている保守費用で、何をしてもらっているのか分からない」と感じていませんか?
相場を調べても判断できないのには理由があります。同じ月額1万円でも、契約によって中身が別物だからです。
この記事では、保守費用に必ず含まれるもの、契約によって分かれるもの、確実に外になるもの、契約前に確認する4項目までを解説します。
見積書を受け取ったときに、何が抜けているかが分かるようになります。
ホームページの保守費用は、相場を比べても決まらない
月額5,000円から5万円。相場としてはこの幅で語られます。ただしこの数字を比べても、判断材料にはなりません。
「保守」に統一された定義がない
保守という言葉に、業界で決まった範囲がありません。制作会社ごとに、何を含めるかが違います。
サーバーとドメインの管理だけを保守と呼ぶ会社もあれば、WordPressの更新やバックアップ、障害対応まで含む会社もあります。同じ言葉で、まったく違うものを指しています。
公的な基準もありません。制作会社が自社の提供範囲を決めて、それを保守と呼んでいる状態です。比較するときは、この前提から入る必要があります。
同じ月額1万円でも中身が違う
A社の月額1万円は、サーバー代とドメイン代だけ。B社の月額1万円は、それに加えてWordPressの月次更新とバックアップ、障害時の対応まで。
この2つを金額だけで比べても意味がありません。前者はサーバーの契約を自分でやれば数千円で済みます。
比較するなら、作業の一覧を並べます。金額の欄だけを見比べても、判断できません。
比べるべきは金額ではなく作業範囲
見積もりを取るときに聞くのは、月額いくらかではありません。聞くべきなのは、その金額で何をしてもらえるかです。
作業を3つに分けて確認します。必ず含まれるもの、契約によって分かれるもの、確実に外になるもの。この区分があれば比較できます。
3社から見積もりを取るなら、こちらから作業の一覧を示して「この中でどれが含まれますか」と聞くほうが早い。各社の書式に任せると、比較できない形で返ってきます。
保守費用に必ず含まれるもの

どの契約でも入っているのが、この3つです。逆に言えば、これだけの契約もあります。
サーバーとドメインの維持
サーバーの利用料とドメインの更新料です。実費に手数料を乗せた金額が請求されます。
サーバー代は月1,000円前後、ドメイン代は年1,500円程度が一般的です。この2つで月額1万円を請求されているなら、大半が手数料です。
実費の目安を知っておくと、手数料の妥当性が判断できます。年間でサーバー1万2,000円、ドメイン1,500円。合わせて1万3,500円程度が原価です。
これに管理の手数料が乗るのは当然ですが、何倍になっているかは確認しておいてください。
SSL証明書の更新
URLがhttpsで始まる状態を保つための証明書です。期限が切れると、ブラウザに警告が表示されます。
多くのレンタルサーバーでは無料のものが使え、自動で更新されます。有料の証明書を使っている場合だけ、実費が発生します。
確認しておくのは、無料の証明書か有料のものかです。無料で足りる場合に有料の実費を請求されているなら、その分は削れます。
これだけなら自社でも管理できる
サーバーとドメインの契約は、自分の名義で取得できます。管理画面から更新の手続きをするだけです。
年に1回、更新のメールが届いたときに支払う。作業としてはこれだけです。この管理を保守費用として払っている契約は、見直す余地があります。
ただし、自社で管理する場合は更新を忘れないことが前提です。ドメインの更新を逃すと、サイトが表示されなくなります。再取得できない場合もあります。
自動更新の設定にしておけば、この危険は避けられます。カード情報の有効期限も、あわせて確認してください。
保守費用に含まれるか分かれるもの

ここが契約ごとに最も差が出る部分です。見積書に書かれていなければ、含まれていないと考えてください。
WordPressとプラグインの更新
WordPress本体とプラグインには、定期的に更新が配信されます。放置すると、脆弱性を突かれる危険があります。
この更新を月1回行う契約と、何もしない契約があります。確認するのは頻度です。「随時対応」という表現は、実質的に何もしないことを意味する場合があります。
「随時対応」と書かれている場合は、具体的な頻度を確認してください。月1回なのか、問題が起きたときだけなのかで作業量が違います。
IPAも、古いバージョンのCMSを使い続けることが改ざんの原因になると注意を促しています。更新を放置する状態は、費用の問題ではなくリスクの問題です。
バックアップの取得
データを定期的に保存しておく作業です。ただし、取っているだけでは足りません。
確認するのは3点です。どの頻度で取るか、何世代分保存するか、復元を依頼したときに費用がかかるか。取得は含まれていても、復元は別料金という契約があります。
取得の頻度は、更新の頻度に合わせます。月1回しか更新しないサイトで毎日取る必要はありません。逆に、毎日記事を書くなら日次が要ります。
障害が起きたときの対応
サイトが表示されなくなったときの対応です。ここは契約による差が最も大きい。
何時間以内に返答するか、休日や夜間は対応するか、原因の調査まで含むか。「対応します」だけでは、いつ返ってくるか分かりません。
あわせて、障害の定義も確認します。サイトが完全に表示されない状態だけなのか、一部のページが崩れている状態も含むのか。ここが曖昧だと、対応を断られることがあります。
SELF CHECK
いまの契約書には、何と書かれていますか。
診断結果
内訳を出してもらいます
この書き方では、何が含まれ、何が別料金かを後から確認できません。追加費用が出たときに、こちらから反論する根拠もありません。
作業の一覧を示して、含まれるものに印を付けてもらってください。応じられない場合、契約の見直しを検討する材料になります。
診断結果
自社で管理できる範囲です
サーバーとドメインの管理は、自分の名義で契約して自動更新にしておけば済みます。年に1度、更新の通知を確認するだけです。
原価は年1万3,500円程度。それに対して月額いくら払っているかを計算してみてください。差が大きいなら、見直す余地があります。
診断結果
頻度と上限を確認します
項目が分かれているのは良い状態です。次に見るのは、それぞれの頻度と回数の上限です。
WordPressの更新が「随時対応」なら具体的な頻度を、文言の修正に回数の上限があるならその数え方を確認してください。
診断結果
まず契約書を取り寄せます
口頭やメールのやり取りだけで続いている契約は珍しくありません。ただし、解約やデータの引き渡しで問題になります。
制作会社に依頼して、書面を出してもらってください。あわせてドメインとサーバーの契約名義も確認します。自社名義でなければ、移管の手続きを相談します。
保守費用の外になるもの
保守は現状を保つ作業です。新しく何かを作る作業は、原則として外になります。
ページの追加とデザインの変更
新しいページを作る、レイアウトを変える。これらは制作の範疇です。保守契約には含まれません。
1ページの追加で3万円前後が目安です。既存ページのデザイン変更も、内容によって同程度かかります。
保守契約があっても、この作業は別に見積もりを取れます。同じ会社に頼む義務はありません。
コンテンツの更新
文言の差し替えや画像の入れ替えは、契約によって扱いが変わります。月に何回までを含む、という形が多い。
回数の上限を確認してください。上限を超えた分は、1回あたり5,000円から1万5,000円程度で請求されます。
自社で更新できる状態にしておけば、この費用は発生しません。WordPressで組んでもらい、更新方法のレクチャーを契約に含めるほうが長期では安く済みます。
機能の新設
予約システムを入れる、会員機能を追加する。これらは開発の範疇で、保守とは完全に別です。
見積もりも別に取ります。保守契約のある会社に依頼する義務はありません。既存のサイトを触る作業なので、制作した会社のほうが早い場合はありますが、金額が合わなければ他社に相談して構いません。
既存のサイトに後から機能を足すと、最初から組み込むより高くつくことがあります。将来やりたいことがあるなら、制作の段階で伝えておいてください。
保守費用の契約前に確認する4項目

契約する前に、この4つを書面で確認します。口頭の確認は、後で食い違います。
対応の範囲がどこまでか
何が含まれ、何が別料金か。作業ごとに一覧で示してもらいます。
「サイトの管理一式」という書き方の見積書は、範囲が曖昧です。後から追加費用が出たときに、含まれていたかを確認できません。
一覧が出せない会社は、作業内容も曖昧なことが多い。この時点で判断材料になります。
返答までの時間
問い合わせてから何時間以内に返答があるか。平日のみか、休日も対応するか。
サイトが表示されなくなったとき、この時間が売上に直結します。フォームが止まった状態で、3日待つのは現実的ではありません。
「営業時間内に対応」という表現の場合、その営業時間も確認してください。平日の10時から17時であれば、金曜の夕方に起きた障害は月曜まで放置されます。
更新作業の回数の上限
文言の修正が月に何回まで含まれるか。1回あたりの作業量の目安も聞いておきます。
「1回」の定義も確認します。1か所の修正で1回と数えるのか、まとめて依頼した分を1回と数えるのか。ここで認識がずれると、想定より早く上限に達します。
年間で見ると差が出ます。月2回まで無料の契約と、毎回5,000円の契約では、年6万円の違いになります。
解約とデータの引き渡し
最も確認されにくく、最も問題になる項目です。解約するときに、サイトのデータを引き渡してもらえるかを確認します。
ドメインの名義も見ます。制作会社の名義で取得されていると、解約時に引き継げません。自社の名義になっているかを、契約前に確かめてください。
サーバーの契約名義も同様です。制作会社の契約に相乗りしている場合、解約と同時にサイトが消えます。データの引き渡し方法まで、書面で決めておいてください。
まとめ
保守費用は金額だけでは比べられません。同じ月額でも、中身が別物だからです。
必ず含まれるもの、契約で分かれるもの、保守の外になるもの。この3つに分けて聞けば、見積もりを比較できます。
まず手元の契約書か見積書を開き、作業の一覧が書かれているかを見るところから始まります。「管理一式」としか書かれていないなら、内訳を出してもらってください。


