ホームページの保守費用|月額に何が含まれるかを先に確かめる

「毎月払っている保守費用で、何をしてもらっているのか分からない」と感じていませんか?
相場を調べても幅が広すぎて、自社の金額が高いのか安いのか判断できないのも無理はありません。
この記事では、保守費用に含まれる作業の見分け方と、契約前に確かめる4項目を解説します。
ホームページの管理を外に任せている方が、見積書の抜けに自分で気づけるようになります。
ホームページの保守費用は、金額を比べても決まらない

保守費用は、月額いくらという金額だけで語られがちです。ただ、その数字を比べても判断の材料にはなりません。相場の幅が広いのも、中身がそろっていないからです。
同じ月額でも、契約によって中身がまったく違います。比べるべきなのは、その金額で何をしてもらえるかという作業の範囲です。まずは、保守という言葉の扱われ方から押さえてください。
「保守」には、決まった定義がない
保守という言葉に、業界で決まった範囲はありません。制作会社ごとに、何を含めるかが違います。
サーバーとドメインの管理だけを、保守と呼ぶ会社があります。WordPressの更新や障害の対応まで含む会社もあり、範囲はさまざまです。同じ言葉で、まったく違うものを指しているのです。比べるときは、この前提から入る必要があります。
同じ月額でも、中身が違う
たとえば、ある会社の月額はサーバーとドメインの管理だけです。別の会社の同じ月額には、更新やバックアップまで含まれています。
この2つを金額だけで比べても、意味がありません。前者なら、サーバーとドメインを自社の名義で契約すれば、手数料の分を減らせます。金額の欄だけを見比べても、どちらが得かは分かりません。比べるなら、作業の一覧を並べてください。
こちらから作業の一覧を示して聞く
見積もりを取るときは、作業を3つに分けて確かめます。必ず含まれるもの、契約によって分かれるもの、保守の外になるものです。
複数の会社に見積もりを頼むなら、作業の一覧を示し、どれが含まれるかを聞くほうが早く済みます。各社の書式に任せると、比べられない形で返ってきがちです。この記事の区分を、そのまま一覧に使ってください。
保守費用に、ほぼ必ず含まれるもの

どの契約でも入っているのが、サーバーとドメインの維持、SSL証明書の更新です。逆に言えば、これだけの契約もあります。
この部分は、作業としてはそれほど多くありません。費用の多くが管理の手数料になっている場合もあります。自社の契約がこの範囲だけなら、自分で管理する選択肢も考えてみてください。まずは、自社の契約にこの作業がどう書かれているかを見てください。
サーバーとドメインの維持
サーバーの利用料と、ドメインの更新料です。多くの場合、実費に手数料を乗せた金額が請求されます。
サーバー会社やドメインの登録業者の料金表を見れば、実費の目安が分かります。手数料が乗るのは当然ですが、実費の何倍になっているかは確かめておいてください。契約の名義が誰になっているかも、あわせて見ておきます。
SSL証明書の更新
URLがhttpsで始まる状態を保つための証明書です。期限が切れると、ブラウザに警告が出て、訪れた人を不安にさせます。
多くのレンタルサーバーでは無料の証明書が使え、更新も自動で行われるのが一般的です。有料の証明書を使っている場合だけ、実費がかかります。無料のもので足りるのに有料の実費を払っているなら、その分は見直せます。
この範囲なら、自社でも管理できる
サーバーとドメインは、自社の名義で契約できます。更新の時期に、管理画面で手続きをするだけです。
ただし、自社で管理するなら更新を忘れないことが前提です。ドメインの更新を逃すと、サイトもメールも使えなくなるおそれがあります。自動更新の設定にしておき、登録したカードの有効期限も確かめてください。更新の案内が届くメールの宛先も、確実に読めるものにしておくと安心です。
保守費用に、含まれるかどうかが分かれるもの

契約ごとに最も差が出るのが、この部分です。見積書に書かれていなければ、含まれていないと考えてください。
ここが抜けていると、問題が起きたときに別料金になったり、そもそも対応してもらえなかったりします。安全に関わる作業も多いため、金額より先に中身を確かめます。それぞれ、頻度と条件まで聞いておくのがこつです。
WordPressとプラグインの更新
WordPressの本体とプラグインには、定期的に更新が配信されます。セキュリティの修正を含むものもあるため、放っておくと危険です。
総務省の案内では、改ざんの多くは基本的な対策の不足が原因とされています。既知の弱点が残っている状態は、その代表です。更新を月に何回行うかを、具体的に確かめてください。「随時対応」とだけ書かれている場合は、実際の頻度を聞いておくと安心です。
バックアップの取得と復元
データを定期的に保存しておく作業です。ただし、取っているだけでは足りません。
確かめるのは、どの頻度で取るか、何回分を残すか、元に戻すときに費用がかかるかの3点です。取得は含まれていても、復元は別料金という契約もあります。取る頻度は、更新の頻度に合わせるのが基本です。バックアップを置く場所も、確かめておきたい点です。サイトと同じサーバーにしか残していないと、障害のときにまとめて失うことがあります。
障害が起きたときの対応
サイトが表示されなくなったときの対応です。契約による差が最も大きいところです。
何時間以内に返事があるか、休日や夜間も対応するか、原因の調査まで含むかを確かめてください。障害の定義も大事で、完全に表示されない状態だけか、一部の崩れも含むかで扱いが変わります。ここがあいまいだと、対応を断られることもあります。
保守費用の外になるもの

保守は、今の状態を保つ作業です。新しく何かを作る作業は、原則として外になります。日々の小さな修正をどこまで含むかも、会社ごとに違います。
この線引きを知らないと、保守費用を払っているのに追加の請求が来て驚くことにもなりかねません。どこからが別料金かを、契約の前に確かめておいてください。外になる作業は、ほかの会社に頼んでも構いません。見積もりの段階で、追加の作業の料金表をもらっておくと安心です。
ページの追加とデザインの変更
新しいページを作る、レイアウトを変えるといった作業は、制作の範囲です。保守の契約には含まれないのが一般的です。
保守の契約があっても、こうした作業は別に見積もりを取れます。同じ会社に頼む義務はありません。ただ、作った会社のほうが中身を知っているぶん、早く安く済む場合もあります。どのページにどんな内容を足したいかを書き出しておくと、見積もりが早く出ます。
文言や画像の差し替え
文言の修正や画像の入れ替えは、契約によって扱いが変わります。月に何回まで含むという形が多く見られます。
回数の上限と、超えた分の料金を確かめてください。1か所の修正で1回と数えるのか、まとめて頼んだ分を1回と数えるのかも大事です。自社で更新できる状態にしておけば、この費用はかかりません。更新の方法を教えてもらうことを、契約に含める手もあります。
機能の新設
予約の仕組みを入れる、会員の機能を足すといった作業は、開発の範囲です。保守とは別に見積もりを取ります。
既存のサイトにあとから機能を足すと、最初から組み込むより高くつくことがあります。将来やりたいことがあるなら、制作の段階で伝えておいてください。金額が合わなければ、ほかの会社に相談して構いません。見積もりは、複数の会社から取ると比べやすくなります。
保守費用の契約前に確かめる4項目

契約の前に、次の4つを書面で確かめます。口頭での確認は、あとで食い違いの原因になります。
どれも、契約したあとでは変えにくい項目です。とくに4つ目は、確かめる人が少ないのに、問題になると影響が大きくなります。見積書に書かれていなければ、追記を頼んでください。4つとも、見積書か契約書に一文書いてあれば足りるので、遠慮せず頼んでください。
① 対応する作業の範囲
何が含まれ、何が別料金かを、作業ごとの一覧で示してもらいます。「サイトの管理一式」という書き方では、範囲があいまいです。
あとから追加の費用が出たときに、含まれていたかどうかを確かめられません。一覧を出せない会社は、作業の中身もあいまいなことが多いものです。この時点で、判断の材料になります。一覧には、作業ごとの頻度も書いてもらうと比べやすくなります。
② 返事までの時間
問い合わせてから、何時間以内に返事があるかを確かめます。平日だけか、休日も対応するかもあわせて聞いておくと安心です。
サイトが表示されなくなったとき、この時間が売上に直結します。「営業時間内に対応」とある場合は、その営業時間も確かめてください。平日の日中だけなら、金曜の夕方の障害は月曜まで待つことになります。
③ 修正の回数の上限
文言の修正などが、月に何回まで含まれるかを確かめます。1回あたりの作業の量の目安も、あわせて聞いておいてください。
1回の数え方の認識がずれると、思ったより早く上限に届きます。年間で見ると、上限の違いは金額に大きく響きます。よく頼む作業を書き出し、月に何回になるかを先に見積もってから比べてください。回数を超えた分の料金も、一覧に入れてもらってください。
④ 解約とデータの引き渡し
最も確かめられにくく、最も問題になりやすい項目です。解約するときに、サイトのデータを渡してもらえるかを確かめます。
ドメインとサーバーの名義も見てください。制作会社の名義のままだと、解約のときに引き継げないことがあります。自社の名義になっているかを、契約の前に確かめておきます。データをどの形式で、いつまでに渡してもらえるかまで決めておくと安心です。
ホームページの保守費用に関するよくある質問
保守の契約は、しなくても大丈夫ですか
更新やバックアップを自社でできるなら、契約しない選択肢もあります。サーバーとドメインも、自社の名義で契約すれば管理は難しくありません。
ただし、WordPressの更新を放っておくと、改ざんの危険が高まります。自社で続けられないなら、更新とバックアップだけを頼む形もあります。何を自社でやり、何を任せるかを決めてから判断してください。
保守費用が高いか安いか、どう判断すればいいですか
金額ではなく、含まれる作業の一覧で判断します。同じ金額でも、中身が違えば比べられません。
サーバーとドメインの実費は、料金表で確かめられます。そこに手数料と作業の分が乗っていると考え、作業の中身に見合うかを見てください。一覧が出てこない場合は、まず内訳を出してもらうところから始めます。一覧があれば、ほかの会社との比較もしやすくなります。
WordPressの更新は、どのくらいの頻度で必要ですか
決まった頻度はありませんが、セキュリティの修正を含む更新は、早めに当てるのが基本です。放っておく期間が長いほど、危険は高まります。
総務省の案内でも、既知の弱点を残さないよう修正を当てることが予防策に挙げられています。月に1度は更新の有無を確かめる体制にしてください。更新の前にバックアップを取っておくと、不具合が出ても戻せます。
保守会社を変えたいときは、どうすればいいですか
まず、ドメインとサーバーの名義、サイトのデータの扱いを今の契約で確かめます。自社の名義なら、移行は比較的スムーズです。
制作会社の名義なら、名義の変更やデータの受け渡しの手順を相談します。新しい会社には、今のサイトの作りを伝え、移行の作業も見積もりに含めてもらってください。移行の間にサイトが止まらないよう、切り替えの日も決めておきます。
保守の契約に、SEOの作業は含まれますか
一般的には含まれません。保守は今の状態を保つ作業で、検索での順位を上げる作業は別の扱いです。
「SEO対策込み」と書かれている場合は、具体的に何をするのかを確かめてください。タイトルの設定だけなのか、記事の作成まで含むのかで、中身は大きく違います。作業の一覧で示してもらうのが確実です。保守とSEOを同じ会社に頼む場合も、費用を分けて書いてもらうと見直しやすくなります。
まとめ
保守費用は、金額だけでは比べられません。同じ月額でも、中身が別物だからです。
必ず含まれるもの、契約で分かれるもの、保守の外になるものに分けて聞けば、見積もりを比べられます。契約の前には、範囲、返事の時間、回数の上限、解約とデータの引き渡しを書面で確かめてください。
まずは手元の契約書か見積書を開き、作業の一覧が書かれているかを確かめてください。