WordPressとノーコードツール|後から移せるかで選ぶ

「WordPressとノーコードツール、どちらで作るべき?」と迷っていませんか?
比較記事は機能や料金を横に並べることが多く、自社にとっての決め手が見えにくいのも無理はありません。
この記事では、離れるときに何が起きるかという違いと、費用、SEOでの差、向き不向きを解説します。
ホームページの作り方を選ぶ方が、数年先まで見越して判断できるようになります。
WordPressとノーコードツールは、出口が違う

機能の比較表には、出てこない違いがあります。それは、そのサービスから離れるときに何が起きるかです。
使い続けている間は、どちらも問題なく動きます。差が出るのは、料金が変わったとき、機能が合わなくなったとき、制作会社を替えるときです。始める段階で、出口のことまで考えておいてください。一度決めると、変えるのに時間と費用がかかるからです。
データを、どこに置いているか
WordPressは、自分で契約したサーバーの中にデータがあります。記事も画像も設定も、契約したサーバーの中です。
ノーコードツールは、そのサービスの中にデータがあります。利用者はサービスを使う権利を持っていますが、サイトの置き場所を自分で選べるわけではありません。管理画面で、サイトを書き出せるかを一度確かめてみてください。
離れるときに、何が起きるか
WordPressなら、サーバーを移しても同じサイトが動きます。制作会社を替えても、データを渡してもらえば続けられます。
ノーコードツールから離れる場合、デザインや構造はそのままの形では移せないことが多いものです。実際には、作り直しに近い作業になります。ページの構造が変わるとURLも変わるため、転送の設定も必要になります。
比較表に、出口の項目はない
比較記事は、費用、デザインの自由度、SEOの機能などを並べます。出口の違いは、たいてい表の項目に入っていません。
始める段階では、気にならない項目だからです。ただ、数年たってから効いてきます。比較記事を読むときは、書き手が扱うツールを確かめ、その立場を踏まえて読んでください。出口の違いは、自分で項目を足して比べるのが確実です。
WordPressとノーコードツールの費用の考え方

月額だけを比べると、差は小さく見えます。ただ、費用の中身の作りが違うので、数年単位で比べると見え方が変わります。
比べるときは、払うお金に加えて、かかる手間と止めたときに残るものも並べてください。どちらが安いかは、誰がどこまで作業するかで変わります。料金表の数字だけで、決めきらないことが大切です。比べる期間は、少なくとも数年で見てください。
月額に、何が含まれるか
WordPressのソフトは無料ですが、動かすにはサーバーとドメインの契約が要ります。有料のテーマやプラグインを使えば、その分も加わります。
ノーコードツールは、月額にサーバーやセキュリティの対応が含まれるのが一般的です。プランによって、使える機能や容量が変わります。比べるときは、必要な機能が入ったプランの料金で比べてください。
更新の手間を、費用に含めて考える
WordPressには、本体やプラグインの更新、バックアップといった手入れの手間がかかります。これを外に頼めば、保守の費用が発生します。
ノーコードツールでは、この手入れが月額に含まれるのが一般的です。手間を金額に置き換えると、差は縮まります。当サイトはWordPressでプラグインを入れずに運営しており、更新の対象を本体だけに絞っています。
止めたときに、何が残るか
WordPressは、サーバーを解約してもデータを手元に保存できます。別のサーバーに移せば、そのまま再開できます。
ノーコードツールは、契約を止めるとサイトを公開できなくなるのが一般的です。文章を書き出せる場合も、そのまま別のサイトに読み込める形とは限りません。記事を積むつもりなら、数年後に持ち出せるかを費用と同じくらい重く見てください。
SEOに強いのは、どちらか

「SEOならWordPress」と書かれることが多いものの、正確ではありません。どのツールで作ったかが、そのまま順位を決めるわけではありません。
Googleが検索に載せるための技術的な要件は、作り方を問わず同じです。差が出るのは、記事を増やして管理していく運用の段階です。記事を積む予定があるかどうかで、選ぶ意味が変わってきます。
どのツールでも、検索に出られる
Googleの技術要件は3つです。Googlebotがブロックされていないこと、ページが正常に返ること、登録できる内容があることです。何で作ったかは含まれていません。
ノーコードツールで作ったサイトが上位にいる例も、珍しくありません。検索結果に並ぶサイトを見ても、何で作られたかは見た目では区別しにくいものです。ツールの選択だけで、順位が決まることはないと考えてください。
差が出るのは、記事を積む運用
実際に差が出るのは、記事を続けて増やす場面です。カテゴリの設計、内部リンクの管理、過去の記事の一括の修正などです。
記事が増えるほど、管理のしやすさの差が効いてきます。何十本もの記事にまとめてリンクを足す作業などは、WordPressのほうが手段が多くあります。記事が少ないうちは、どちらでも大きな差はありません。
細かい設定を、変えたいときに困らないか
細かい設定に手を入れたいなら、WordPressのほうが自由度があります。構造化データやcanonical、転送の設定などです。
ただし、これらを触る必要がある場面は限られます。多くの事業者は、標準の機能で足りるのが実情です。判断の目安は、設定を変えたいのに変えられず、困っている場面があるかどうかです。そのときに検討しても遅くありません。
WordPressとノーコードツールの向き不向き

どちらが優れているかではなく、目的に合うかどうかで決まります。用途を先に決めれば、選ぶ側も自然に決まります。
迷ったら、今のサイトで何をしたいかを書き出してみてください。会社の案内が中心なのか、記事で集客したいのかで、向いている側が分かれます。途中で変えると費用がかかるので、最初の見極めが大切です。書き出した内容は、制作会社に相談するときにも使えます。
ノーコードツールが向く場合
ページが少なく、記事を積む予定がない。会社の案内として公開し、内容もあまり変わらない。この形なら、ノーコードツールで十分です。
サーバーの管理も、更新の作業も要りません。技術的な手間がかからないことは、それ自体が価値です。月額が決まっているので、年間の予算も立てやすくなります。公開までの期間を短くしたい場合にも、向いている選択です。
WordPressが向く場合
記事を続けて増やし、検索からの流入を育てる。この目的なら、WordPressのほうが管理しやすくなります。
制作会社を替える可能性がある場合も、こちらが向いています。データを持ち出せる形にしておけば、頼む先を自由に選べるからです。あとから独自の機能を足す予定がある場合も、WordPressのほうが選択肢は広がります。
途中で変える場合の負担
ノーコードツールからWordPressへ移す場合、実質的に作り直しです。制作の費用が改めてかかります。
文章は書き出せても、レイアウトと画像は入れ直しになることが多いものです。記事が多いほど、移す負担も増えます。最初にノーコードで始めて、あとから移す進め方もできますが、移す費用を織り込んでおいてください。
選ぶ前に決めておく3つ

機能を比べる前に、次の3つを決めてください。答えが出れば、選ぶ側も決まります。
3つとも、自社の事業の進め方に関わる問いです。制作会社に相談する前に答えておくと、提案も的を射たものになります。3つの答えがすべて「いいえ」なら、ノーコードツールで足りることが多いものです。1つでも「はい」があれば、その理由を軸に選んでください。
① 何年使うか
短い期間の告知やイベント用なら、ノーコードツールで足ります。1年で役目を終えるサイトに、移しやすさを求める必要はありません。
何年も使う前提なら、移せるかどうかを考えてください。事業の形が定まっていて内容も安定しているなら、長く使う前提で選ぶほうが、将来の作り直しを避けられます。判断の材料は、事業が変わる速さです。
② 記事を積むか
検索からの集客を狙うなら、記事が増えていきます。何十本と積んだときの管理を、思い浮かべてください。
積まない前提なら、この項目は判断に影響しません。会社の案内だけで完結するサイトなら、どちらでも管理の手間は大きく変わりません。毎月のように記事を書く予定があるなら、WordPressを選ぶ理由になります。
③ 誰が更新するか
社内の担当者が更新するなら、操作の簡単さが効きます。ノーコードツールのほうが、覚えるのは早いことが多いものです。
制作会社が更新するなら、こちらの操作のしやすさは関係ありません。日々の更新は社内、作りに関わる修正は制作会社という分け方もあります。その場合は、社内で触る範囲の操作のしやすさだけを見れば足ります。
WordPressとノーコードツールに関するよくある質問
ノーコードツールで作ると、検索で不利になりますか
作ったツールだけで不利になることはありません。Googleの技術要件は、作り方を問わず同じです。
差が出るのは、記事を積んで管理する段階です。記事が少ないうちは、ノーコードツールでも十分に検索に出られます。順位は、ページの中身と、検索した人の疑問に答えているかで決まります。まずは記事の中身を整えることに時間を使ってください。
WordPressは、自分で更新できますか
記事の追加や文章の修正は、管理画面から自分でできます。ブロックを並べる形で、文章や画像を入れられます。
難しいのは、本体やプラグインの更新、不具合への対応といった手入れの部分です。ここを自分でやるか、外に頼むかを決めておいてください。手入れを外に頼むなら、保守の契約の中身を確かめておくと安心です。更新の前には、バックアップを取る習慣を付けてください。
あとからノーコードツールからWordPressに移せますか
移せますが、作り直しに近い作業になります。文章は書き出せても、デザインや構造はそのままの形で移せないことが多いものです。
URLが変わる場合は、古いURLから新しいURLへの転送も設定してください。記事が多いほど、移す手間と費用が増えます。移す予定があるなら、早めに決めるほど負担は小さくなります。移したあとは、Search Consoleで登録の状況を確かめてください。
WordPressは、セキュリティが心配です
多くのサイトで使われているぶん、狙われやすい面はあります。本体やプラグインを古いまま放っておくと、危険は高まります。
更新を続けること、使わないプラグインを入れないこと、管理画面のパスワードを強くすることが基本です。プラグインが少ないほど、更新の対象も弱点も減ります。手入れを続けられないなら、その分を保守の契約で補ってください。
結局、迷ったらどちらを選べばいいですか
記事を積んで検索からの集客を狙うなら、WordPressが向いています。会社の案内が中心で、手入れの手間をかけたくないなら、ノーコードツールが向いています。
どちらか決めきれないなら、何年使うか、記事を積むか、誰が更新するかの3つに答えてみてください。答えが出れば、選ぶ側は自然に決まります。答えに迷う問いがあれば、制作会社に相談するときの材料になります。
まとめ
WordPressとノーコードツールは、機能の比較表だけでは決まりません。離れるときにデータを持ち出せるかが、あとから効いてきます。
SEOの差は、ツールの選択ではなく、記事を積む運用で出ます。何年使うか、記事を積むか、誰が更新するかの3つを決めれば、選ぶ側は自然に決まるものです。
まずは、今のサイトで何をしたいかを書き出すところから始めてください。