ホームページ制作を個人に依頼する|向くケースと、リスクの防ぎ方

「個人に頼むと安いらしい」「でも途中で消えたら怖い!」と不安ではありませんか?
リスクは挙げられていても、どう防ぐかまでは書かれていません。不安の正体は、防ぎ方が分からないことにあります。
この記事では、個人と制作会社の体制の違い、向くケースと向かないケース、契約でリスクを防ぐ方法、発注前に確認すべき5項目、依頼の伝え方までを解説します。
個人への発注を検討している方が、リスクを具体的な条項で抑えられるようになります。
フリーランスと制作会社は、何が違うのか

違いは体制です。個人は作る人と直接話せて判断が早く、制作会社は分業で幅を出せます。優劣ではありません。
体制の違い
個人に頼むと、打ち合わせの相手がそのまま手を動かす人になります。「この部分を変えたい」がその場で伝わり、認識のずれが起きにくい。
一方で、担当が1人なので体調を崩したり別案件が重なったりすると、その影響を直接受けます。制作会社は誰かが抜けても体制で補えます。
費用差が出る理由
個人のほうが安いのは、間接費がないためです。オフィス、営業担当、ディレクターの人件費が乗りません。
ただし安い理由が「実績を作るため」の場合もあります。独立直後で価格を低く設定している、相場を把握していない、といったケースです。安さの理由は聞いておいてください。
実績づくりの価格なら、こちらに不利益はありません。問題は相場を把握しないまま受けた結果、作業量に見合わず途中で失速する場合です。見積もりに作業時間が出ているかで見分けられます。
SELF CHECK
依頼する案件は、どれに近いですか。
診断結果
個人に向いています
窓口が1人なので、伝えた内容がそのまま実装まで届きます。中間の伝達で意図がずれることがありません。
ただし、その1人が対応できない事態に備えて、データの引き渡し条件を契約に入れておきます。
診断結果
制作会社のほうが合います
社内調整が長引くと、個人では待ちの期間が収益にならず、優先度を下げられることがあります。
組織で受ける体制なら、期間が延びても対応が続きます。
診断結果
契約の形を確認します
個人でも継続対応は可能ですが、稼働の上限があります。月に何時間まで対応するかを決めておきます。
更新を自社で行えるようにしておけば、どちらに頼んでも困りません。
診断結果
制作会社を選びます
予約システムや会員機能など、複数の技術領域にまたがる案件は、個人では守備範囲を超えます。
規模の判断がつかない場合は、まず要件を書き出してから相談してください。
フリーランスに向くケース、向かないケース

判断の軸は2つです。規模と、要件がどこまで固まっているか。この2つで、向き不向きがほぼ決まります。
向くケース
10ページ以下のコーポレートサイト、採用ページ、ランディングページ。1人で完結できる規模なら、やり取りが速いぶん個人が有利です。
公開後も自社で更新する前提なら、なおさら向いています。WordPressで納品してもらえば、お知らせの追加は自分でできます。
当サイトも自作のテーマで運用し、記事は管理画面から自分で追加しています。プラグインをほとんど入れていないため、更新の操作は文章を書いて公開ボタンを押すだけです。
向かないケース
50ページを超える規模、会員機能や予約システムを含む案件、24時間の保守体制が必要な場合。いずれも、1人では対応しきれない範囲です。
要件が固まっていない場合も向きません。「何を作ればいいか分からないので相談したい」という依頼は、設計から入る工数が読めず、個人だと受けにくいものです。
ただし設計から相談できる個人もいます。その場合は設計を別料金として切り出し、そこだけ先に依頼する形にすると進めやすくなります。
フリーランスに頼むリスクと、契約で防ぐ方法

上位記事が挙げるリスクは、どれも実際に起こり得ます。ただし契約の組み方でかなり防げます。起きてから対処するのではなく、先に決めておいてください。
途中で連絡が取れなくなる
着手金を全額前払いにしないでください。3〜5割を着手金、残りを納品時にするのが一般的です。全額を先に求められたら、その理由を聞いてください。
あわせて、連絡が途絶えた場合にどうするかを書面に入れておきます。「2週間連絡が取れない場合は契約を解除し、着手金の一部を返金する」といった条項です。
品質にばらつきがある
制作実績のURLをもらい、実際に開いてください。スマホでも表示し、崩れていないか、読み込みが遅くないかを見ます。ポートフォリオの画像ではなく、公開中のサイトを見るのが確実です。
「デザインは得意だが実装は不得意」という偏りもあります。デザインから実装まで一人で完結するのか、一部を外注するのかを聞いてください。
外注が入ること自体は問題ありません。ただし窓口が1人のまま関係者が増えるので、やり取りに時間がかかることは見込んでおいてください。
公開後に対応してもらえない
公開後の窓口が1人だけなので、多忙な時期は待つことになります。急ぎの修正に即応してもらえる前提で契約しないでください。
対策は、自社で更新できる形で納品してもらうことです。文言の修正やお知らせの追加を自分でできれば、依頼が必要な場面は大きく減ります。
良いフリーランスに当たるための伝え方
相手を見極める話は多く書かれていますが、こちらの伝え方でも結果は変わります。個人は受ける案件を選べる立場なので、条件が整った依頼には良い相手が集まります。
個人が受けやすい依頼
| 伝える項目 | 受けやすい伝え方 | 断られやすい伝え方 |
|---|---|---|
| 予算 | 上限を数字で伝える | 「安くしてほしい」だけ |
| 納期 | 希望と、動かせる範囲 | 「なるべく早く」 |
| 目的 | 何を増やしたいか | 「かっこいいサイト」 |
| 素材 | 原稿と写真の用意状況 | 触れない |
予算を伝えると足元を見られる、という懸念があります。ただし予算が分からない依頼は、見積もりの作りようがありません。範囲外なら早い段階で分かるので、双方にとって無駄が減ります。
断られる依頼
「まず提案書と概算見積もりを出してほしい」だけの依頼は、個人だと断られやすいものです。提案書の作成は数時間から数日かかる作業で、受注が不確かな段階では引き受けにくい。
先に1時間ほど打ち合わせて、方向性を決めてから見積もりを依頼する形にしてください。相手の時間の使い方を考えた依頼のほうが、結果的に良い提案が返ります。
見積もりと契約で確認する4項目

制作会社に依頼するときと基本は同じですが、個人の場合は名義とデータの扱いが特に重要です。窓口が1人なので、連絡が取れなくなると動かせなくなります。
着手金の割合
3〜5割が目安です。全額前払いを求められた場合、理由を確認してください。少額の案件やスケジュールを押さえる必要がある場合など、正当な理由もあります。
逆に着手金なしを提案されたら、それも確認してください。相手側のリスクが大きすぎる条件は、途中で無理が出ます。
データの受け取り
ドメインとサーバーは自社名義で契約してください。制作者の名義になっていると、移管や解約の手続きに相手の協力が必要になります。
納品時には、WordPressの管理者アカウントとサーバーのログイン情報を受け取ります。これがあれば、連絡が取れなくなっても別の人に引き継げます。
受け取ったら、自分でログインできるかをその場で確認してください。納品書に書いてあっても、実際に入れなければ意味がありません。
よくある質問
クラウドソーシングで探しても大丈夫ですか。
仲介があるぶん、支払いのトラブルは起きにくい仕組みです。ただし手数料が価格に乗るため、直接依頼より高くなることもあります。実績とやり取りの丁寧さで判断してください。
知人の紹介なら安心ですか。
契約書を省く口実になりやすい点に注意してください。関係が近いほど、揉めたときに言い出しにくくなります。紹介であっても、書面は交わしてください。
個人と制作会社で、成果に差は出ますか。
規模が合っていれば大きな差は出ません。10ページ以下のサイトなら、体制より「何を書くか」のほうが成果を左右します。
まとめ
個人と制作会社の違いは体制です。10ページ以下で要件が固まっているなら、個人のほうがやり取りは速く進みます。
リスクは契約で防げます。着手金は3〜5割まで、ドメインとサーバーは自社名義、連絡が途絶えた場合の扱いを書面に残す。
依頼するときは、予算の上限と目的を数字と言葉で伝えてください。条件が整った依頼には、良い相手が集まります。まず予算の上限を決めるところから始まります。


