SEOツールは必要か|有料に移る目安と、無料で足りる範囲

「SEOツールを入れるべきか、無料のままで足りるのか」と迷っていませんか?
比較記事を読んでも決まらないのには理由があります。その多くが、ツールを売る側の書いたものだからです。
この記事では、無料の範囲で分かること、有料に移る3つの目安、記事が少ないうちに契約すると起きること、契約後の判断までを解説します。
いま契約すべきかどうかを、自分で判断できるようになります。
SEOツールの比較記事は、売る側が書いている
「SEOツール41選」「おすすめ20選」。検索すると、こうした記事が並びます。
読んでも決められないのは、あなたの判断力の問題ではありません。記事の目的が、選ばせることではないからです。
41選を読んでも決まらない理由
41個を並べた記事は、網羅性で検索上位を取るために作られています。読者に選ばせることは目的に入っていません。
それぞれの特徴が2行ずつ書かれていても、どれが自社に必要かは分かりません。そもそも、比較の軸が示されていないためです。
本当に必要なのは、選択肢を絞る条件です。「記事が何本を超えたら」「どの作業に時間がかかっているなら」。この形で書かれていれば、自分が当てはまるか判断できます。
「無料では限界」と書く動機
多くの比較記事は、SEOツールを提供する会社が運営するメディアに載っています。自社の製品を紹介する記事の中で「無料で足ります」とは書けません。
立場としては当然です。ただ、読む側はその前提を知っておく必要があります。結論が最初から決まっている記事を読んでも、判断はできません。
見分け方は簡単です。記事の運営元を確認してください。SEOツールを提供する会社なら、その前提で読みます。書かれている情報が誤りだという話ではなく、結論の向きが決まっているという意味です。
判断の基準を自分で持つ
必要なのは、ツールの一覧ではなく判断の基準です。いまの自社に必要かどうかを決められる基準が1つあれば足ります。
当サイトはSEOツールを販売していません。そのため「まだ要らない」と言えます。記事が50本を超えるまで、有料のツールなしで運用してきました。
基準は1つで足ります。いまの作業で困っているかどうかです。困っていないなら、ツールを入れても解決する問題がありません。
SEOツールなしで分かること

有料に移る前に、無料で何が分かるかを把握しておきます。無料の範囲でも、思っているより多くのことが分かります。
Search Consoleで分かること
自サイトの検索での状態は、ここでほぼ分かります。どの語で表示されたか、何回表示されたか、何位だったか、クリックされたか。
期間を指定して比較もできます。先月と今月で、表示回数が増えた語と減った語が並びます。実のところ、有料ツールでもこの精度は超えられません。Googleが持っている実際の数字だからです。
使い方も難しくありません。検索パフォーマンスを開き、期間を28日間にして、表示回数の多い順に並べる。この操作だけで、自社がどの語で見られているかが分かります。
ページ単位でも見られます。どの記事が流入を生んでいるか、逆に何も生んでいないかが一覧で出ます。
キーワードプランナーで分かること
Google広告のアカウントを作れば無料で使えます。狙う語が月に何回検索されているかの目安が出ます。
広告を出していないと数値の範囲が広く表示されますが、傾向は掴めます。月に10回か、1万回か。この程度の区別がつけば、語を選ぶには足ります。
ただし、この数字だけで語を選ばないでください。検索回数が多くても、発注に近い語でなければ流入しても意味がありません。
月10回でも、その全員が発注を検討している語のほうが価値があります。数字は判断材料の1つです。
検索結果そのものが情報源
最も見落とされているのがこれです。狙う語で実際に検索すれば、競合の顔ぶれと記事の形式が分かります。
上位10件のドメイン、記事の構成、扱っている範囲。これらはツールを使わずとも読み取れます。ツールが示す数値より、実際の検索結果のほうが判断材料になります。
確認するときはシークレットウィンドウを使ってください。検索履歴が結果に影響するため、普段のブラウザでは実際の並びと違うものを見ることになります。
有料のSEOツールに移る3つの目安

次の3つのどれかに当たったら、検討する段階です。1つでも当たれば検討の段階で、全部そろう必要はありません。
記事が30本を超えた
本数が増えると、どの記事がどう動いているかを追いきれなくなります。Search Consoleでも見られますが、記事ごとの推移を並べる操作が煩雑になります。
30本を超えたあたりから、管理の手間が判断の材料になります。
ただし本数だけで決めないでください。30本あっても管理に困っていなければ、まだ不要です。
順位の記録に週1時間以上かかっている
順位を手作業で記録している場合、語の数に比例して時間が増えます。10語なら10分ですが、50語だと1時間近くかかります。
この作業が自動化されるなら、月額の費用に見合います。判断は単純で、記録にかける時間と費用を比べます。
ただし、記録する語を50も追う必要があるかは別の問題です。本当に重要な語だけに絞れば、手作業でも15分で終わります。ツールを検討する前に、追う語を減らせないか考えてください。
競合の動きを知る必要が出てきた
自社のデータはSearch Consoleで分かりますが、競合のデータは分かりません。どの語で上がってきたか、どんな記事を出したか。
ここを知りたくなったら、有料ツールの出番です。逆に言えば、自社のことだけ見ていればよい段階では不要です。
ここで注意が必要なのは、競合の数値が推定値だという点です。実際のアクセス数を取得しているわけではなく、独自の方法で算出しています。傾向を見る材料にはなりますが、正確な数値として扱うと判断を誤ります。
SELF CHECK
いま、どの作業に困っていますか。
診断結果
まだ必要ありません
困っている作業がないなら、ツールを入れても解決する問題がありません。月額を払う理由が立ちません。
その予算で記事を1本外注するか、そのまま残しておくほうが有効です。困ったときに契約すれば足ります。
診断結果
追う語を減らせないか先に考えます
50語を追っているなら1時間かかりますが、本当に重要な語は10語程度のはずです。絞れば手作業でも15分で終わります。
絞っても時間がかかるなら、そのときが検討の段階です。記録にかける時間と月額を比べて決めてください。
診断結果
有料ツールの出番です
競合のデータはSearch Consoleでは分かりません。ここは無料で代替できない領域です。
ただし出てくる数値は推定値です。実際のアクセス数ではないため、競合より多いか少ないかという程度の判断にとどめてください。
診断結果
ツールでは解決しません
キーワードの候補は出せますが、そこから何を書くかは自分で決めることになります。候補が増えても、迷いは減りません。
まず自社の事業で問い合わせにつながる語を10個書き出してください。実際に受けた質問や、商談で聞かれたことが材料になります。
記事が少ないうちにSEOツールを契約すると起きること
早く契約しても、良いことはあまりありません。見る数字が増える一方で、書く時間が減ります。
見る数字は増えるが、書く時間が減る
ツールを入れると、毎日ログインして数字を見るようになります。順位が1つ上がった、下がった。その確認に時間を使います。
記事が10本しかない段階では、見るべき数字も限られています。その時間を1本書くほうに回したほうが、結果は出ます。
ツールを開いている時間は、記事が増える時間にはなりません。この段階で必要なのは、分析より本数です。
データが少なくて判断できない
ツールが示すのは、集まったデータの分析結果です。記事が少なければ、分析の材料も少ない。
表示回数が数十回のサイトで傾向を分析しても、偶然の変動と区別がつきません。分析の機能は、データが溜まってから使うものです。
目安として、月の表示回数が1,000回を超えたあたりから、傾向が見えてきます。それ以下の段階では、順位の上下も偶然の範囲に収まります。
使わない機能に払い続ける
有料ツールは多機能です。被リンクの分析、競合の調査、サイトの技術的な診断。それぞれ単体でも価値がありますが、全部を使う事業者は多くありません。
月額数千円から数万円を、使っている機能が1つか2つの状態で払い続ける。この形になりがちです。
契約前に、どの機能を月に何回使うかを書き出してください。書き出せないなら、まだ必要な段階ではありません。
SEOツールを契約したあとに確認すること

契約したら終わりではありません。見直さないまま、契約しっぱなしにするのが最も損です。
3か月使って何を変えたか
ツールが示した数字を見て、実際にサイトを何か変えたかを振り返ります。記事を直した、新しい語で書いた、設定を修正した。
何も変えていないなら、そのツールは「見るだけ」に使われています。行動に結びついていない情報には、費用を払う理由がありません。
振り返りは月に1回、10分で足ります。ツールの画面を開いて、先月そこから何を判断したかを思い出してください。思い出せないなら、使っていないのと同じです。
その機能を無料の範囲で代替できないか
実際に使っている機能を書き出します。順位の記録だけなら、表計算ソフトで代替できます。
当サイトも、順位の記録は表計算で行っています。日付、キーワード、地点、順位の4列です。作業は週1回15分で済みます。
被リンクの分析はSearch Consoleにもあります。サイトの技術的な診断も、PageSpeed InsightsとURL検査で大半は分かります。有料でしか得られない情報は、実際には限られています。
解約の判断
3か月使って何も変えていない、使っている機能が無料で代替できる。このどちらかに当たるなら、解約します。
必要になったら再契約すればよい。契約を続けること自体が目的になっていないかを、定期的に見直してください。
解約に抵抗を感じるのは、これまで払った分がもったいないと思うからです。ただ、すでに払った分は戻ってきません。判断するのは、来月以降に見合うかどうかだけです。
まとめ
SEOツールの比較記事は、売る側が書いたものが大半です。結論が最初から決まっている記事では、判断できません。
記事が30本を超えた、順位の記録に週1時間かかる、競合の動きを知りたい。このどれかに当たるまでは、無料の範囲で足ります。
まずSearch Consoleを開き、検索パフォーマンスで表示回数の多い語を見るところから始まります。そこに出ている数字が、いま最も正確な情報です。


